2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞誘引能を有する自己組織化アミノ多糖を利用した新規薬剤輸送システムの構築
Project/Area Number |
14580820
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
重政 好弘 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 教授 (00032029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎本 博之 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 助教授 (20186977)
森本 稔 国立大学法人鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 助教授 (10273880)
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Keywords | キトサン / エマルジョン / ピレン / 蛍光 / 薬物取り込み / ケトース / 位置選択的合成 |
Research Abstract |
側鎖に疎水性基を導入したキトサン誘導体のミセル形成能を評価したところ,ミセル形成を示唆する結果は得られたが,明確な証拠を得るには至らなかった.この理由として,誘導体が十分な水溶解性を持たないため,ミセルと不溶化による凝集の区別がつかないことが考えられた.そこで,エマルジョン形成による薬物包摂法について検討した.有機相(O)に薬物を溶解させ,水相(W)中でO/W型エマルジョンを形成させ,それをキトサンで安定化させることによりキトサン中に薬物を取り込むことが可能と考えた.水相に溶解させたキトサンはO/W型エマルジョンを一時的に安定化させたが,やがて溶媒は二相分離した.そこで,エマルジョンを形成させた直後にキトサンを不溶化させ,エマルジョンのまま析出させる方法について検討した.実験は薬物モデルとしてピレンを用い,クロロホルムに溶解させ,キトサンは酢酸水溶液に溶解させ,それらを激しく攪拌する事によりエマルジョンを形成させた.形成したエマルジョンに濃アルカリ水溶液を加えると,キトサンはエマルジョンのまま析出した.十分洗浄した析出物を酢酸水溶液に再溶解させ,ヘキサンで抽出することにより,キトサンに取り込まれたピレン量を評価した.その結果,この方法によりピレン(薬物)をキトサンに取り込むことが可能であり,キトサンの分解により放出可能であることを見出した. 側鎖に糖質,カルボン酸,ビタミンを有する種々な新規キトサン誘導体を合成した.これらの中にはpH等の環境変化によりゲル化するものがあった.また,生物活性を有する糖質合成法として,炭素数3および4のケトースを用いた位置選択的合成法を確立した.
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Research Products
(2 results)