2003 Fiscal Year Annual Research Report
病理組織画像解析アルゴリズムの研究(肝細胞癌診断支援システムの実現)
Project/Area Number |
14580832
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 正信 芝浦工業大学, システム工学部, 助教授 (20338312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 雅行 国立千葉病院, 研究検査科, 科長 (00092073)
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Keywords | 組織 / 核 / 輪郭 / 抽出 / 画像処理 / 肝臓 / 病理診断 / 診断支援 |
Research Abstract |
【目的】 病理組織診断に有用な定量的情報を画像解析により算出し,病理医へ提示する肝細胞癌向けの病理診断支援システムを実現することを目的とする. 【研究成果】 H14年度には肝細胞組織標本の顕微鏡画像から核の輪郭を高速・高精度に抽出する手法を考案すると共に,(1)核の位置候補の抽出,(2)核候補位置ごとに輪郭を抽出,(3)輪郭情報を元に核の可能性の低いものを除外するという3段階の核位置抽出手法を実現し,核の抽出正解率81.2%(核でないものを核と誤抽出する率:11.1%)を達成した.H15年度には核の抽出正解率を83.4%(誤抽出率:10.3%)に改善すると共に,抽出された核の位置を用いて2種類の特徴量(核密度,核密集度)を算出し,これらの特徴量が初期の高分化癌を非癌部と鑑別する上で有用な特徴量であることを明らかにした.また,単に特徴量の絶対値を評価するよりは,同じ標本中の非癌部からの差を用いることでさらに有用性が増す(特徴量のみを用いて鑑別した場合の正解率が向上する)ことを明らかにした.そして,これらの特徴量を病理医が容易に抽出できるように,グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を開発した.開発したGUIは,(1)核位置を自動抽出する機能,(2)抽出された核位置を簡単なマウス操作で修正する機能,(3)特徴量を算出し表示する機能を持ち,病理医は簡単なボタン操作だけで特徴量を算出し,鑑別診断の参考情報として利用できる.核位置の抽出精度が向上した結果,核位置の修正に必要なボタン操作回数は27%に低減され,画像1枚あたりの処理時間(核位置抽出,修正,特徴量算出に要する時間)は約2分と実用的なレベルとなった.
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[Publications] Masanobu Takahashi: "Extraction of the Position of Hepatocellular Nuclei Using Radial Snakes"Proceedings of the World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering (WC2003). WE.TR2-WE.TR24 (2003)
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[Publications] 高橋 正信: "核位置を用いた肝細胞癌診断支援システム"情報科学技術フォーラム一般講演論文集(FIT2003). H-013. 439-441 (2003)
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[Publications] Masanobu Takahashi: "A Novel Segmentation Method for Nuclei in Histopathologic Images"Proceesings of the 2nd International Conference Biomedical Engineering (BioMED2004). 219-223 (2004)