2004 Fiscal Year Annual Research Report
動脈瘤の血管内治療用器具としてのステントの最適設計に関する研究
Project/Area Number |
14580838
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
板東 潔 関西大学, 工学部, 教授 (70156545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
桜井 篤 関西大学, 工学部, 専任講師 (50162334)
田地川 勉 関西大学, 工学部, 助手 (80351500)
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Keywords | 動脈瘤 / ステント / 数値シミュレーション / 血流 / 赤血球 / 連成解析 / バイオメカニクス / 血管病変 |
Research Abstract |
ステントが血管内に内挿されて動脈瘤内の血流速度が低下すると,血液の粘性係数が増大することが知られているが,これは低速域において血液をニュートン流体と見なすことができなくなるためである。したがって,ステントの効果を正確に評価し,その最適設計を行うためには,血液を均質なニュートン流体ではなく赤血球を含む混相流体として扱う必要があり,さらにステント網目と血管内壁間近傍のマイクロオーダの微細隙間における血流を解析するためには,血流中の赤血球の変形を考慮した流れと構造物の連成解析が必要である。そこで,赤血球の存在の効果を考慮した血流の数値シミュレーションを行うことにより,ステントが存在する血管内の流れを高精度に解析することを目的として,Immersed boundary法を用いて,血漿内の赤血球の変形に関する連成解析を行った。その結果,Immersed boundary法は流れ解析において格子の再生成を必要とせず,非常に効率的に三次元の連成問題を解くことが可能な方法であることを明らかにし,同時に毛細血管やマイクロ流路内において見られる赤血球のパラシュート状の変形をシミュレートすることができた。この場合赤血球膜のモデル化において,バネ結合体ではなく歪みエネルギー関数を用いることにより,Neo-Hooke体あるいは赤血球の変形に対する実験結果に合わせるように関数形を指定できる利点がある。したがって,本解法を用いることにより,ステントが挿入され低速化した血流におけるレオロジーに関して,数値シミュレーションの結果を用いた血流の新しいモデル化が可能となると考えられる。
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Research Products
(6 results)