2003 Fiscal Year Annual Research Report

放射光を使った単色パルスX線による解像度8μm微小心臓血管造影装置の開発

Research Project

Project/Area Number	14580844
Research Institution	Japan Synchrotron Radiation Research Institute
Principal Investigator	梅谷啓二財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門II・医学チーム, 主幹研究員 (50344396)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	杉村和朗神戸大学, 医学部, 教授 (00136384) 八木直人財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門II・生物・医学グループ, グループリーダー・主席研究員 (80133940) 山崎克人財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門II・医学チーム, チームリーダー・副主席研究員 (50210381)
Keywords	微小血管造影 / 冠状動脈 / 血管造影剤 / 放射光 / 単色X線 / X線サチコン / 血管拡張反応 / 血管収縮反応
Research Abstract	1.SPring-8の放射光を単色化した単色X線でのイメージングにおいて、既存の空間解像度10μmの画像撮影装置(1024×1024画素×10ビット、撮影速度30画像/秒)をもとに、平成14年度には検出器部分を改良して解像度8μmでのX線動態画像撮影を可能とした。続いて平成15年度では、解像度6μmでのX線動態画像撮影を可能とした。具体的には、視野サイズ4.5mm角での撮影を可能とする改造で、画素サイズ4.5μmの画像が得られた。解像度評価チャートを撮影してX線画像の解像度を調べた結果では6μm幅のパターンまで画像化でき、従来の空間解像度10μmに対して検出器として限界的な解像度まで達した。 2.平成14年度には、X線動画像撮影制御装置を新たに製作し、既存の画像撮影装置と組み合わせて、X線画像検出器の撮影タイミング信号と同期させたX線シャッターの駆動により、シャッター時間が5〜6ミリ秒でのパルスX線撮影が可能となった。ここでは、レーザー光の走査などに用いるガルバノメータースキャナを使い、タンタル製のシャッターブレードを付けて、シーソーのような動きのチョッパーによるX線シャッターとした。平成15年度では、X線シャッターの改良(タンタル製のブレードの軽量化や動作タイミングの最適化)を進めて、目標である最短シャッター時間2ミリ秒を実現した。 3.開発した装置を用いて、正常ラットの摘出心を使いランゲンドルフ灌流下で、心拍動下に非イオン性ヨード造影剤を摘出心の大動脈起始部に注入して冠状動脈造影を施行した。平成14年度では約50μm径までの微小血管の動態での画像化を行ったが、平成15年度では撮影装置の改良で、20〜30μmの血管の画像化までが可能となった。さらに、正常ラット摘出心から、糖尿病や高血圧症などの病態モデルラットの摘出心での実験に進んだ。

Research Products
(6 results)

All Other

All Publications (6 results)

[Publications] 梅谷啓二, 福島和人, 杉村和朗: "X線サチコンでの放射光血管造影による微小血管拡張反応の観察"映像情報メディア学会誌. 58・3. 344-351 (2004)
[Publications] 梅谷啓二: "放射光マイクロイメージングによる腫瘍に伴う微小血管の観察"映像情報メディア学会誌. 57・12. 1690-1696 (2003)
[Publications] 梅谷啓二, 福島和人, 魚谷健祐, 鶴崎正勝, 杉村和朗: "X線サチコンを使ったパルスX線での心臓血管撮影"情報メディア学会技術報告. 27・58. 21-24 (2003)
[Publications] Keiji Umetani, Takenori Yamashita, Nobunao Maehara et al.: "Small-field angiographic imaging of tumor blood vessels in rabbit auricle using X-ray SATICON camera and synchrotron radiation"Proc.25th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society, September 2003. 978-981 (2003)
[Publications] Keiji Umetani, Kazuhito Fukushima, Masakatsu Tsurusaki et al.: "Microangiography in isolated perfused rat organs for evaluation of vascular response"Proc.Symposium on Towards Clinical Application of Synchrotron Radiation, SPring-8,September 2002. 36-41 (2003)
[Publications] 武田徹, 呉勁, 大塚定徳, 梅谷啓二, 坂井悠二: "放射光心血管造影法-原理,特徴,問題点-"日本臨床. 61・増刊4. 213-224 (2003)

2003 Fiscal Year Annual Research Report

放射光を使った単色パルスX線による解像度8μm微小心臓血管造影装置の開発

Principal Investigator

梅谷 啓二 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門II・医学チーム, 主幹研究員 (50344396)

Research Products

[Publications] 梅谷啓二, 福島和人, 杉村和朗: "X線サチコンでの放射光血管造影による微小血管拡張反応の観察"映像情報メディア学会誌. 58・3. 344-351 (2004)

[Publications] 梅谷啓二: "放射光マイクロイメージングによる腫瘍に伴う微小血管の観察"映像情報メディア学会誌. 57・12. 1690-1696 (2003)

[Publications] 梅谷啓二, 福島和人, 魚谷健祐, 鶴崎正勝, 杉村和朗: "X線サチコンを使ったパルスX線での心臓血管撮影"情報メディア学会技術報告. 27・58. 21-24 (2003)

[Publications] Keiji Umetani, Kazuhito Fukushima, Masakatsu Tsurusaki et al.: "Microangiography in isolated perfused rat organs for evaluation of vascular response"Proc.Symposium on Towards Clinical Application of Synchrotron Radiation, SPring-8,September 2002. 36-41 (2003)

[Publications] 武田 徹, 呉 勁, 大塚定徳, 梅谷啓二, 坂井悠二: "放射光心血管造影法-原理,特徴,問題点-"日本臨床. 61・増刊4. 213-224 (2003)

梅谷啓二財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門II・医学チーム, 主幹研究員 (50344396)

[Publications] 武田徹, 呉勁, 大塚定徳, 梅谷啓二, 坂井悠二: "放射光心血管造影法-原理,特徴,問題点-"日本臨床. 61・増刊4. 213-224 (2003)