2002 Fiscal Year Annual Research Report
学校における暴力行為等問題行動の抑制要因と予防的生徒指導に関する心理学的研究
Project/Area Number |
14591003
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前田 健一 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90101451)
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Keywords | 暴力行為 / 問題行動 / 生徒指導 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、暴力行為等の問題行動が発生しやすい中学校と連携・協力体制を構築し、問題行動を抑制する要因を明らかにすると共に、実践的検討を通して問題行動を予防する生徒指導の具体策を策定することである。平成14年度は、少年非行・暴力・攻撃等に関する内外の関係図書や資料等を収集し、暴力行為等の問題行動の発生メカニズムおよび問題行動の促進要因と抑制要因について理論的検討を行った。 これらの理論的研究の成果に基づき、小学校、中学校、高校を対象にした調査研究を実施し、問題行動の実態や児童生徒の意識を発達的に検討した。この調査研究の成果の一部は、「暴力行為等の問題行動に関する発達的研究(4)」(広島大学心理学研究,2003)の論文として発表した。さらに、中学校との連携・協力体制の下で、実践的な生徒指導プログラムを開発し、担任教師に対する説明会や事前指導を行い、平成14年9月から中学校の全学年・全クラスの生徒を対象に学級単位の指導プログラムを継続的に実施した。これらの実践プログラムの効果評価については、すでに分析が終了している。しかし、年度途中からの実践であったために実践指導の回数が少なかったこと、学年やクラスの雰囲気あるいは担任教師の個人差等によって社会的スキル教育プログラムの効果に多少の相違が認められるなど、新たな課題が見出された。 これらの成果と反省をふまえ、平成15年度は社会的スキル教育プログラムの内容を充実させると共に、学年段階に応じて系統的なプログラムを開発する。さらに、平成15年度は社会的スキル教育プログラムを学校の年間計画の中に組み込んで、年度当初から計画的・定期的に実施し、その効果を多面的に評価していく予定である。
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Research Products
(1 results)