2002 Fiscal Year Annual Research Report
労働環境と家族的責任が夜勤交代勤務従事者の仕事と家庭の両立と健康に及ぼす影響
Project/Area Number |
14594029
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
酒井 一博 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (90072660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 智恵 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究員
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Keywords | 労働環境 / 家族的責任 / 仕事と家庭の両立 / 夜勤交代勤務 / 健康 |
Research Abstract |
今年度は、目的1)夜勤交代勤務における管理的(勤務体制、職場内の人的配置、労働の身体的精神的負荷)、制度的(両立支援制度、伝統的な性役割観をもつ組織風土)、職場組織的(職場内のサポートとネゴシエーション)労働環境のどういった組み合わせが仕事と家庭の両立をどのように規定しているのか、その結果従事者の身体的精神的健康にどのような影響を及ぼすのかを明らかにするために、夜勤交代勤務の代表的職種である病院に勤務する看護師を対象として研究1:面接調査、研究2:パイロット調査を実施した。 研究1:面接調査では、公立大規模病院2箇所、民間中規模病院2箇所、民間大規模病院2箇所に勤務する病棟看護師を対象として、夜勤交代勤務の現状や労働環境、仕事と家庭の両立などについてたずねた。その結果、夜勤交代勤務数、日勤と夜勤の配置において民間より公立のほうが、三交代制より二交代制のほうが勤務しやすい、労働時間や負担が比較的少なく、労働環境としてゆとりがあった。仕事と家庭の両立については、職場要因として上司の労働観、上司に対するネゴシエーション、職場の組織風土によって両立しやすいか否かが決定されていた。他方、家庭要因としては配偶者や親など家族の子育てに対する協力にかなり頼っていること、夜勤時に院内保育制度が利用できる職場とそうでない職場によって家族に頼る割合が異なることが明らかにされた。こうした結果を踏まえて、質問紙を作成し、研究2でパイロット調査を実施した。 研究2:パイロット調査では、民間大規模病院に勤務する看護師20人を対象として質問紙調査を行なった。現在回収中である。
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[Publications] 酒井一博: "サーカディアンリズムにもとづいた安全な勤務体制のポイント"月刊ナースマネージャー. (印刷中).
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[Publications] 小泉智恵: "働く母親の仕事と家庭の両立と健康-夫婦コミュニケーションの効用-"労働の科学. 57. 324-328 (2002)
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[Publications] 小泉智恵: "働く母親における仕事から家庭へのネガティブ・スピルオーバーが抑うつ傾向に及ぼす影響"発達心理学研究. (印刷中).