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2003 Fiscal Year Annual Research Report

分子系統に基づく寄生蠕虫の種多様性獲得機構の解析

Research Project

Project/Area Number 14596008
Research InstitutionNational Museum of Nature and Science, Tokyo

Principal Investigator

倉持 利明  国立科学博物館, 動物研究部, 主任研究官 (80277590)

Keywords寄生蠕虫 / 多様性 / 線形動物 / Pseudaliidae / ミトコンドリアDNA / COI / 分子系統 / ネズミイルカ科
Research Abstract

平成14年度には,イシイルカ寄生のPseudaliidae科線虫(線形動物)3種,Pharurus dalli, Stenurus truei, S.yamagutiiについて,ミトコンドリアシトクロームcオキシダーゼサブユニットI(COI)遺伝子,1275bpの配列決定を行った.
平成15年度はスナメリ寄生のpseudaliidae科線虫を研究対象とし,昨年度同様,Dye terminator cycle sequence法によるPCR産物のダイレクトシーケンスを用いて,ミトコンドリアDNAの同じ領域の解析に取りかかった.しかし,実験条件は当初の予想を大きく上回り厳しかった.昨年度の材料は,オホーツク海で捕獲されたイシイルカから採材されたもので,虫体の状態は良く,PCRでは期待通りの増幅,シーケンシングにおいても良好な解析結果が得られた.ところが本年度は,漂着したスナメリから得た材料を研究対象としたため,DNAの変性が激しく,解析は困難を極めた.そこで,従来のフェノール・クロロフォルムによる抽出系に代わって,変性が進んだ材料からのDNA抽出に適するといわれる,シリカゲルメンブレンを用いた系を導入しPseudostenurus sunameriの解析にあたったところ,不満足ながら上記DNA断片の増幅が得られ,Second PCRなどの方法も交えて,からくも本種5固体の解析を終了した.しかし,さらにHalocercus属線虫に解析を進め,H.sunameriに着手したところ,虫体がきわめて小さいという不利な条件がさらに加わり,上記抽出系を以てしてもDNAの増幅が得られなかった.もはや1275bpの増幅は断念せざるを得ず,同領域を650bp程度の断片に分け,さらに昨年度得たデータを基に新たにプライマーをデザインして,Nested PCRによる系の構築を模索した.その結果,本種COIの5'側約650bpの配列決定まで到達し,現在は3'側のNested PCRを行っており,良好な結果を期待している.
このように本年度は,昨年度と異なり厳しい実験が続き,達成度は明らかに低下した.しかし,まもなくNested PCRによる系が確立すると思われ,今後も博物館資料に基づく研究を進める上で貴重な産物を得たと考えている.

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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