2002 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食機構およびそれに伴う炎症調節機構の解明
Project/Area Number |
14599006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00294059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 重一 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (70114428)
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Keywords | アポトーシス / マクロファージ / ファゴサイトーシス / MFG-E8 |
Research Abstract |
マクロファージによるアポトーシス細胞の認識、貪食機構を解明する目的で、我々はマクロファージによるアポトーシス細胞の貪食能を定量的に評価するアッセイ方法を開発した。このアッセイを用いて、マウス腹腔マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食を促進する抗体(2422抗体)を発見し、この抗体が認識する分子としてMFG-E8と呼ばれるタンパク分子を同定した。この分子はそのC末端でアポトーシス細胞の細胞表面上に出現するホスファチヂルセリンに結合し、N末端のRGD配列を含む部位でα∨β3インテグリンに結合する機能を持ち、アポトーシス細胞とマクロファージをリンクし、アポトーシス細胞の貪食を促す機能を持つ分子であることが明らかとなった。現在、この分子の生体内における役割について、詳細に検討を行っている。我々はまたマクロファージの細胞株の中で、アポトーシス細胞を貪食する能力を持つ細胞株を見いだした。この細胞株のアポトーシス細胞貪食の分子機構を明らかにするために、この細胞株をアルメニアハムスターに免疫し、細胞表面分子に対するモノクローナル抗体を作成した。この抗体を上述の貪食能を定量的に評価するアッセイ方法を用いてスクリーニングしたところ、この細胞株によるアポトーシス細胞の貪食を特異的に阻害する抗体を複数得た。現在、これらの抗体の認識する分子をアフィニティークロマトグラフィーにより精製し、その分子の同定を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] R.Hanayama et al.: "Identification of a factor that links apoptotic cells to phagocytes"Nature. 417. 182-187 (2002)
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[Publications] H.Nagase et al.: "Mutually regulated expression of caspase-activated DNase and its inhibitor for apoptotic DNA fragmentation"Cell Death & Differ.. (in press).