2002 Fiscal Year Annual Research Report
ジュゴン沖縄個体群の絶滅を想定しての保全対策調査計画の立案
Project/Area Number |
14608020
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大泰司 紀之 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (50001532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 詮三 沖縄県海洋生物飼育技術センター, 研究員
伊澤 雅子 琉球大学, 理学部・海洋自然科学科, 助教授 (10192478)
鈴木 正嗣 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90216440)
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Keywords | ジュゴン / 沖縄 / 分布 / 食性 / 保全生物学 / 海南島 / 台湾 / トカラ列島 |
Research Abstract |
平成14年6月、東京において環境省・水産庁・文化庁の担当者、およびそれら省庁から調査の委託を受けているアセス会社の取りまとめ責任者に集まってもらい、各省庁のジュゴン調査の目的、調査方法および、結果などについて説明を受けた。その上でそれら各省庁で実施されている調査を総合できるよう、また、具体的な調査内容については重複を避けるように調整した上で、科学研究費としての調査方法の検討を行なった。 その検討に基づいて、9月に沖縄本島東部において、潜水および目視によるジュゴンの食性に関する調査方法の開発、電波発信機装着の検討、保全生物学的調査方法の検討、頭骨標本の研究法などについての検討を行なった。10月に富山大学で行なわれた哺乳類学会の折に、DNA分析の専門家も交えて、9月調査の結果などを含めて再度検討会議を行なった。この段階で、事実上本企画調査のとりまとめを行ない、平成15年度科研費基盤研究(A);「ジュゴン沖縄個体群の保全生物学的研究」(4年間5000万円、代表 大泰司)の申請書類を作成した。 10月の打ち合わせにおいて、本年度調査として、海南島、台湾、トカラ列島、奄美諸島の予備調査を行なうこととし、本年2月から3月にかけて実施した。海南島調査においては、20年ぶりに同島での生息の確認をした。このほか小笠原諸島にはジュゴン生息地の記録や生息条件のないことを確かめ、同様の火山島である大東島、鳥島などにも生息条件はなく、わが国の排他的経済水域では南西諸島のみジュゴン生息の条件が具わっていることを確認した。
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