2003 Fiscal Year Annual Research Report
臨床倫理学の哲学的基礎付けと医療現場における実用化
Project/Area Number |
14651001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 哲郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70117711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 明宏 東北大学, 大学院・文学研究科, 助手 (60344636)
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Keywords | 臨床倫理学 / ケア / 倫理原則 / 決定のプロセス / コミュニケーション / ナラティブ / 国際情報交換 / イギリス:合衆国 |
Research Abstract |
1.臨床倫理検討システムの更なる改訂をし、方針決定支援に加えて、問題解決および振り返っての評価を支援するシートをも開発し、また参照するルールの整理を行い、汎用性のあるシステムへと練り上げた。また、これを医療者が使い易くするために、基本部分のソフトウェア開発を行った。 2.前年度に引き続き本研究について日本語および英語で公開するインターネットのサイト(http://www.sal.tohoku.ac.jb/phil/CESDP/index.html)を拡充し、広く医療現場への浸透および国際発信を図ると共に、協力者を募り、相互のメールによる意見交換を進めた。 3.従来の協力者であった東札幌病院倫理委員会、群馬県立がんセンター看護師グループ、横浜市立大学付属病院看護師グループ、川崎市立病院看護師グループおよび各地の医師数名(宮城、岩手、富山、京都)にさらに各地の協力者が参加し、それぞれの現場で臨床倫理検討シートを試用した。その成果の一部はがん看護学会等で発表された。 4.横浜、富山、神戸にて協力者と共に研究会を開催し、臨床倫理検討シートによる検討法について説明すると共に、具体的事例の報告とそれについての共同検討を行った。 5.清水は、看護大学校の認定看護師養成コース、日本看護協会の倫理研修、富山看護教育連合研修会、阪大病院、北大病院の研修会等で研究成果に基づく臨床倫理検討法についての説明をし、本研究の成果を医療現場に活かす努力をした。 6.国際的には、オックスフォード大学Ethox(Centre for Ethics and Communication in Health Care)のHope, T教授らとの交流を深めた。 *なお、本研究の成果を今後の発展に結びつける途として、医療の質の向上を目指して行う、より広い範囲をカバーする研究プロジェクト《医療システムと倫理》を始めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 清水哲郎: "二重結果原則か均衡性原則か--終末期の鎮静をめぐる論争から"MORALIA. 10. 1-20 (2003)
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[Publications] 清水哲郎: "「コミュニケーションをする」ということ 受け入れるということ"介護専門職の総合情報誌 おはよう21. 15-2. 16-19 (2004)
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[Publications] 山川真理子(事例), 清水哲郎(コメント): "パリアティブケアにおける臨床倫理 安楽死を希望する患者さん"ターミナルケア. 14・1. 42-47 (2004)
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[Publications] 清水哲郎: "コミュニケーションとケアの倫理"臨床倫理学. 3(印刷中). (2004)
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[Publications] 松浦明宏: "医学教育における「隠れたカリキュラム」"臨床倫理学. 3(印刷中). (2004)
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[Publications] 臨床倫理検討システム開発プロジェクト(代表清水哲郎)編: "臨床倫理学3"臨床倫理検討システム開発プロジェクト(印刷中). 100 (2004)