2002 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児における非侵襲的脳血流測定法を用いた脳機能評価
Project/Area Number |
14651028
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
眞田 敏 岡山大学, 教育学部, 教授 (60098126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 正文 岡山大学, 教育学部, 教授 (00032219)
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Keywords | 脳機能評価 / 脳血流評価 / 超音波ドプラー法 / 側性分化 / 発達的変化 / 発達障害 |
Research Abstract |
Bruneau(1992)は自閉症児群と健常児群に単純音刺激を与え、後者では経頭蓋超音波ドプラ血流測定法(Transcranial Doppler Bloodflowmetry : TCD)による中大脳動脈血流の抵抗指数に左右差が認められ、前者では左右差が認められないことを明らかにし、自閉症児において脳の発達過程における側性の遅れを示すものであると報告した。そこで、自閉症や学習障害児の側性確立評価のための指標を作成することを目的とし、TCDによる中大脳動脈血流速度および抵抗指数(resistance index:RI)を健常児・者で検討した。 10〜28歳までの9名を対象にWISC-IIIの絵画完成カードを課題として呈示し、安静時と課題遂行時の中大脳動脈血流速度および抵抗指数を比較検討した。9名は全員右利で、エディンバラ利き手指数は78.9〜100.0であった。結果を以下に示す。1)課題遂行により中大脳動脈の平均血流速度は左右とも上昇し、その増加率は右側:4.50%〜13.63%、左側:1.42%〜13.02%で、9名中6人名において右側の変化率が左側より大きかった。2)RIは課題遂行により9名中8名において減少したが、この8名中4名は右側、1名は左側の変化が大きく、残りの3名では左右差を認めなかった。3)上記の中大脳動脈平均血流速度やRIの変化の左右差とエディンバラ利き手指数との間に明らかな相関は認められなかった。 エディンバラ利き手テストで全員が右利きであったにもかかわらず、中大脳動脈血流速およびRIに一定の優位側が認められず、また両側の血流速度が上昇していたことより、本課題は大脳両半球を共に賦活しているものと推測された。今後、発達的変化の検討も含めより適切な課題の探究が必要と思われた。
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Research Products
(1 results)