2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14651079
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
梅田 雅子 早稲田大学, 教育学部, 助手 (90339614)
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Keywords | 中国文学 / 比較文学 / 劉禹錫 / 竹枝 / 日本漢詩 |
Research Abstract |
竹枝詞は1000年に渡る歴史があるが、時代ごとにその様相を変化させている。例えば唐代では旅情を詠う叙情詩の色彩が強い。その中で劉禹錫の竹枝詞は土地の風物を描くことに重点がおかれており、特異な作品であることが分かった。また南宋から次第に詠う土地の限定が緩やかになり、様々な土地が対象となった。その趨勢を加速させたのが元末の「西湖竹枝」と考えられる。この西湖竹枝の詠いぶりは日本の竹枝詞にも影響を与えたと考えられる。清代になると竹枝詞は更に広がりを見せる。「竹枝」という題名でなくても竹枝詞と見なされている作品が多く現れる。また竹枝詞にルポルタージュ的な役割を付すようになり、地方誌の中に多く見られるようになる。日本の竹枝詞にも記録的な性格を帯びるものがあるが、「西湖竹枝詞」的作品も多く見られ、日本詩話の中でも西湖竹枝の影響が大きいことが分かる。日本の竹枝詞は中国のものと比べるとその流行が江戸時代にまで下るが、その要因等は目下考察中である。
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