2003 Fiscal Year Annual Research Report
大学発ナノ・メディソン・ベンチャーの創業におけるプライベート・イクィティの役割
Project/Area Number |
14653016
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
藤原 孝男 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (70173490)
|
Keywords | ナノメディソン・ペンチャー / 大学発ベンチャー / プライベート・イクィティ / ベンチャー創業 / 技術移転 |
Research Abstract |
「大学発ナノ・メディソン・ベンチャーの創業におけるプライベート・イクィティの役割」のプロジェクトでは、第2年度にあたり、実態調査を行なった。スウェーデンのストックホルム及びウプサラ地域のバイオクラスターでは、医薬バイオベンチャーのBiovitrum、バイオツールベンチャーのGlobal Genomics、Gyros、そして治験データ収集サービスベンチャーのBerzelius Clinical Research Centerに対し聞取り調査し、医薬系バイオベンチャーのメディカルスクールKIを中心とするストックホルムへの、バイオツールベンチャーのウプサラ大学を中心とするウプサラへの専門別集積を確認した。すなわち、分子標的医薬開発という共通テーマを目指しながらも、2大製薬系総合大企業のM&Aを契機とした、科学者・技術者・管理者などの専門的人材のベンチャーへの流入による開発のクリティカルマスには、ベンチャーによる大企業との間の提携だけでなく、公的研究支援や大学からの研究成果も活用したベンチャー間の提携的分業によるニッチ市場の専門的深耕の重要性を示しているといえる。 米国の調査では、Salk Inst.、UCSD及びCaltechの各TLO、ベンチャーキャピタルForward Ventures、バイオベンチャーのMedicinivaの各聞き取り調査を行った。カリフォルニアの、サンフランシスコベイエリア、サンディエゴ、そしてロサンジェルス域内パサディナの各地域を比較すれば、大学発ベンチャーによる分子医薬開発を目指すバイオクラスターの要件としては、政府の研究助成金の支援による基礎研究基盤の強化に加えて、研究の事業化に向けてナノバイオに特化したベンチャーキャピタルの役割が、基礎研究成果の事業化に向けて、きわめて重要であることが判った。特に、サンディエゴでは、伝説的人物の一人I.Royston博士から直接、研究・創業精神・ベンチャーキャピタルの経歴を踏まえた哲学を聞けた。 この他、英国オックスフォーでも、大学発分子医薬開発ベンチャー及び支援機関への聞取り調査を行ない、政府による基礎研究基盤への投資に加えて、大学からの研究成果を事業化する際の民間のリスク資本の先導的投資・創業支援、地域開発ビジョンの重要性が理解できた。特に、産業形成の際の中核的人物の多面的役割の大きさがここでも理解できた。 また、研究成果の一部は、国内外の学会等で報告した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Takao Fuiiwara: "On the Business Model of a Biotechnology Venture in a Biotechnology Cluster of Sweden : The Case of Stockholm-Uppsala Area"Proceedings of 8^<th> international Conference on Global Business and Economic Development (Guadalajara, Mexico). (CD-ROM). (2004)
-
[Publications] Christian Muller, Takao Fuiiwara, Cornelius Herstatt: "Sources of Bioentrepreneurship : The Cases of Germany and Japan"Journal of Small Business Management. 42(1). 92-100 (2004)
-
[Publications] 藤原孝男: "スウェーデンのバイオクラスターに右けるバイオベンチャーのビジネスモデルについて:ストックホルム-ウプサラ地域のケース"研究・技術計画学会第18回年次学術大会講演要旨集(東京大学). 598-601 (2003)
-
[Publications] Luo Yongshun, Takao Fuiiwara: "A Preliminary Study on Valuing Pharmaceutical R&D Projects by using Real Option Method : A Tentative Model for Mevalotin's Case"研究・技術計画学会第18回年次学術大会講演要旨集(東京大学). 614-617 (2003)
-
[Publications] Takao Fuiiwara: "The Business Model of the Basic Research-dependent Biotechnology Start-up in Japan"Proceedings of the R&D Management Conference 2003 (Manchester, England). (CD-ROM). (2003)