2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14654003
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
前田 博信 東京農工大学, 工学部, 助教授 (50173711)
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Keywords | 代数多様体 / 特異点解消 / エクセレントスキーム / 分岐理論 / 離散付値環 / p拡大 / 混合標数 |
Research Abstract |
エクセレントなデデキント環Aの商体をKとする.Kの有限次分離拡大Lは,Aの元を係数とする1変数多項式F(x)で与えられる.多項式環A[x]から決まる2次元の非特異なエクセレントスキームにおいてF(x)は1次元の閉部分スキームCを定める.Cは最も簡単な混合標数の代数多様体の例になる.AのLにおける整閉包をBとすると,BはCの非特異モデルの関数環であるから,Cの特異点を解消すればBを求めることができる.Cの特異点解消が具体的に記述できればBの構造も具体的に求めることができる 本年度の研究において,Aが剰余標数がPである標数零の完備離散付値環であって,LがK上のp次2項拡大のときに,上の方法でBのA基底を具体的に計算することができた.特異点解消を用いると従来の整数論による方法よりも制限を減らすことができる.弱めることのできた条件として,(1)LはK上でガロア拡大である必要がない,(2)Kは1のP乗根を含まなくてもよい,(3)Aの剰余体は完全体である必要がない,等である.なお,完備性はヘンゼル性まで弱めることができるがエクセレント性の仮定は必要である. 上記の結果は1971年のNagoya Math. Journalの第41巻,149-168頁のSusan Williamsonの結果の別証明を与え,一部はその拡張になっている. これらのことから,代数拡大における分岐理論において,拡大を定義する多項式が具体的に与えられると混合標数の代数多様体が得られるので,その特異点や,その無限に近い特異点の重複度列から分岐の不変量を計算することができると予想されるが,まだ分からない.特異点の情報だけで十分かどうかについても研究を続ける必要がある.
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