2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14654007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊吹山 知義 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60011722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 隆夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30201198)
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Keywords | ゼータ函数 / 保型形式 / 微分作用素 / ラングランズ予想 / ベクトル値 / 岩堀部分群 / コンパクト実形 / 志村対応 |
Research Abstract |
今年度は、次数が2,レベルが1,2,3,4のある種の合同部分群について保型形式環がいずれも生成元の個数が5つで、4つが代数的に独立、残りの1つがこの4つの保型形式から微分作用素を用いた簡単な行列式で得られるという単純でほとんど類似の表示を持つことを論文にまとめた。また、Henry KimはGL(2)のウェイト2のCubic L関数がウェイト3のジーゲル保型形式のL関数であるという予想を与えている。私はかれとの討論で、ウェイトが2よりも大きいときは対応すべきジーゲル保型形式はベクトル値になるはずで、群は岩堀部分群であるとの予想を述べ、具体的にウェイトの関係を提示した。Henry Kimは、generic packet conjectureなどから考えて私のアイデアは整合性があるということを検証した。私はこの対応予想をベクトル値ジーゲル保型形式で実験したいと考えたが、保型形式の構成にかなり困難があるので、ラングランズ予想で対応しているはずの、Sp(2)のコンパクト実形における球関数での実験を試みる予定で、準備中である。この課程で、ベクトル値ジーゲル保型形式の重要性がますます意識され、レベル付きの場合も重要であることがあきらかになってきている。この研究を継続中に、保型形式の次元の関係に関するかなり偶然的な発見があり、次数2のウェイト整数および半整数のジーゲル保型形式間の1対1対応予想を、離散群およびウェイトを正確にしていする形で定式化した。これについても実験を始める予定である。以上の研究の部について、アメリカ、フランス、韓国、日本の国際研究集会で講演をおこなった。
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[Publications] 伊吹山 知義: "Vector Valued Siegel Modular Forms of Sym(4) and Sym(6)"京都大学数理解析研究所講究録. 1281. 129-140 (2002)
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[Publications] 伊吹山 知義: "ジーゲル保型形式入門と保型形成環"第1回保型形式周辺分野スプリングコンファレンス報告集. 1-42 (2003)
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[Publications] T.Watanabe: "Hermite constants of division algebras"Monatshefte fur Methemetik. 135. 157-166 (2002)
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[Publications] T.Watanabe: "線型代数群の基本エルミート定数"京都大学数理解析研究所講究録. 1281. 227-234 (2002)
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[Publications] 伊吹山 知義編集: "第1回保型形式周辺分野スプリングコンファレンス「保型形式環」"191 (2003)