2002 Fiscal Year Annual Research Report
逐次分岐によるロバストな形態形成ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
14654018
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栄 伸一郎 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (30201362)
小林 亮 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (60153657)
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Keywords | 反応拡散系 / 大域分岐 / ストライプ解 / パルス解 / domain growth / morphogenesis / 安定性 |
Research Abstract |
発生学、数理生態学等においては成長や生息領域の盛衰によりその領域が時間の関数として変化することを考慮しなければならない。それらが時間依存しないとした系についての研究は多いが、依存するときの研究は非常に少なく、その振る舞いは必ずしもそれらを定数とみなした時の結果からたやすく類推されるものではない。本研究課題「逐次分岐によるロバストな形態形成ダイナミクスの解明」に関する本年度の成果は領域サイズの時間依存性がどのようにダイナミクスに影響を与え、またそれをどのように予期できるかについて、反応拡散系のストライプ解について考察した。とくに分担者の栄により開発されたパルス相互作用の理論がストライプ解の不安定性の厳密解明に大きく寄与した。以下はその概要である。 「増大する領域におけるN-stripeパターンの安定性」 多くの形態形成モデルにおいて、領域が増大すると固定された本数のストライプ解は不安定化する。それがどのように不安定化し、その後どの本数のストライプ解にいくかについては解明されていなかった。今年度は領域増大という時間依存する方程式の定式化を行い、その第1近似モデル方程式を導出した。それは領域サイズに対応するパラメータを含むが、それを分岐パラメータとして、そのストフイプ解の大域的存在、分岐、および安定性について考察した。数値的にはAUTOなどの分岐解追跡ソフトウエアーを用いて、その大域的振る舞いを定性的に調べた。厳密な解析は十分ストライプの間隔があるときには、パルスダイナミクスの理論を用いると、非線形常微分方程式に帰着することが可能であり、その結果次のことがわかる。ストライプの本数がN本のときは、サドル・ノード分岐の手前で、必ず不安定化が生じそれはN-1個の不安定固有値を生み出す。この多様な不安定化が、領域増大のスピードに応じて様々なストライプの本数の分裂を引き起こす本質的要因となる。
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[Publications] S.-I.Ei, J.Wei: "Dynamics of metastable localized patterns and its application to the interaction of spike solutions for the Gierer-Meinhardt systems in two spatial dimension"Japan J. Ind. Appl. Math.. 19(2). 181-226 (2002)
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[Publications] S.-I.Ei, M.Mimura, M.Nagayama: "Pulse-pulse interaction in reaction-diffusion systems"Physica D. 165. 176-198 (2002)
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[Publications] Y.Nishiura: "Far-from-equilibrium Dynamics"AMS. 311 (2002)