2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14654059
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60245371)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 行雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90334250)
|
Keywords | 2次元電子系 / 表面反転層 / 超伝導 / 電子相関 |
Research Abstract |
p型InAs基板上にMISFET(金属-絶縁体-半導体電界効果型トランジスター)試料を作製して、表面反転層のサブバンド構造と2次元電子濃度との関係を調べた.InAsでは、自然反転層が形成されるためにホールバー型の試料作成は困難であったが、本研究では、水素パッシベーション効果を利用することにより不要部分の反転層の除去を行い、ホールバー試料での電子濃度測定および移動度測定を行うことに成功した.高田らが提唱したプラズモンを媒介としたクーパー対が形成されるためには、有効質量の異なる電子が共存する状態を作る必要がある.これまでの測定から、(1)電子濃度が1.6×10^<12>cm^<-2>に達すると第二サブバンドに電子が入り出すこと、(2)Γ点近傍での非放物線状のバンド構造を反映して、第二サブバンドの面内有効質量は、第一サブバンドの面内有効質量に比べて2〜3倍小さいこと、などが明らかになった.さらに有効質量が大きく異なる電子を共存させるためにはΓ点近傍だけではなく、L点近傍にも電子を入れる必要がある.そのためには3×10^<13>cm^<-2>程度の電子濃度が必要であり、FETを用いた場合、現時点では絶縁強度はそこまで至っていない.一方、InAs表面をスパッタリングなどで「たたく」ことによって、キャリアを誘起することができる.スパッタリングで形成した絶縁膜の上にゲート電極を乗せる「ハイブリッド型試料」を用いて、高電子濃度を達成することを試みている.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] M.Ooya, T.Okamoto: "Anomalous metallic phase and magnetism in a high-mobility and strongly correlated 2D electron system"Proceedings of the 23rd international conference on Low Temperature Physics. (掲載予定).
-
[Publications] Y.Kawano, T.Okamoto: "Local electrometer using magnetoresistance oscillation of a two-dimensional electron gas"Proceedings of the 15th international conference on High Magnetic Fields. (掲載予定).
-
[Publications] y.Kawano, S.Komiyama: "Cyclotron Radiation Imaging of Nonequilibrium Electrons in Quantum Hall"Recent Research Developments in Physics. 3巻. 129-153 (2002)