2003 Fiscal Year Annual Research Report
多結晶材料集合組織の数値シミュレーション技法を導入した岩石組織研究の新展開
Project/Area Number |
14654088
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 美千彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70260528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長瀬 敏郎 東北大学, 総合学術博物館, 助教授 (10237521)
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Keywords | 岩石組織 / 二面角 / ウェーライト / 粒成長 / 粒界移動 / ダナイト |
Research Abstract |
本年度は,天然に近い系での最上部マントル(ウェーライト・ダナイト)における組織形成の重要な支配要因を高温高圧実験によって検討した.実験はピストンシリンダー型装置を用い,1.2GPa・1100〜1200℃で行った.San Carlos産かんらん石・ネパール産透輝石単結晶の粉末を用いたもの,およびゲル合成粉末を用い,1wt%の純水を加えて焼結した.ウェーライトにおけるOl/Cpx比は9:1〜7:3の範囲で変化させた.実験時間は約1週間である.実験結果として以下のようなことがわかった。1.ダナイト-H2O系:H2O流体は三重点に分布することが多いが,流体包有物も多く形成される.これまでにもOl-玄武岩質メルト系やOl-H2O系で報告があるように,流体との界面はしばしば自形面を呈し,そのような面に囲まれた多面体様の流体プールも多く形成される.1100℃での場合,1200℃よりも流体が三重点を形成する傾向がより高かった.二面角の温度依存性と界面エネルギー極小の原理からはこれとは逆の結果が予想されるので,1100℃と1200℃でのプール形成程度の相違は岩石組織の発達程度の差による可能性が高い.2.ウェーライト-H2O系:OlとCpxの粒径が同程度の場合,H2O流体は比較的Olを好んで分布する.また,Cpxに対するOlの比が大きい場合には,実験産物内にOl粒径の不均質が生じ,細粒のOlが多い部分に流体が選択的に分布する傾向が非常に顕著である.これは界面エネルギーの粒径効果(Wark & Watson,2000)と粒界移動速度の流体量依存性の相互作用によるものと考えられる.Ol・Cpxともに自形面を呈する場合が非常に多く,またH2O流体の多くはプールを形成している.1100℃でのダナイト系とは対照的に三重点に分布するケースは非常にまれである.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Okumura S., Nakamura M., Nakashima S.: "Determination of Molar absorptivity of IR fundamental OH-stretching vibration in rhyolitic glass"American Mineralogist. 88. 1657-1662 (2003)
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[Publications] Nakamura M., Ouchi T., Nkata E., Nakano T., Uesugi K., Tsuchiyama A.: "A X-ray microtomographic study on the three-dimensional fluid distribution in silicate polycrystalline aggregates"Spring -8 User Experimental Report. 10. 224 (2003)