2002 Fiscal Year Annual Research Report
ドナーアクセプター共役多核錯体における原子価互変異性の外場制御
Project/Area Number |
14654121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70156090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 昌樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70345263)
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Keywords | フェロセン / アントラキノン / ドナー-アクセプター / π共役 / プロトネーション / 分子内電子移動 / 高分子錯体 |
Research Abstract |
光やプロトンのような外部刺激に応答して多段階にその物性を変化することのできるクロミック金属錯体分子を集積化することでナノ機能性材料への展開が可能である。これまでドナー(D)-アクセプター(A)系であるフェロセン-キノン共役接合錯体を合成し、プロトン付加による制御可能な分子内電子移動、及び分子内電子移動により生じる構造変換や酸化還元電位の変化、原子価互変異性など系の多様な構造、物性変化について明らかにしてきた。本研究ではフェロセンとアントラキノンとの重合反応によりオリゴマーを合成ならびに分離し、集積化が及ぼす物性変化について検討を行った。 1,8-ジブロモアントラキノンと1,1'-ビス(トリアルキルスタニルエチニル)フェロセンとのStilleカップリングによる重合反応を条件(原料、フェロセン-キノン比、濃度)を変えて行い、反応条件による生成物の物性の違いについて検討した。生成物はクロロホルム可溶成分と不溶成分Aに分けたのち、可溶成分についてはHPLC、TLCによる分離を行うことで、可溶成分のうち高分子量であるフェロセン-アントラキノンユニットが平均3〜4個結合したオリゴマーBを得た。オリゴマーは単核錯体よりもUV-vis、IR吸収スペクトルにおいてブロードでかつ低エネルギーシフトした吸収が観測され、電気化学測定より単核錯体より強いD-A間の電子的相互作用があることが示唆された。 また二量体程度の重合度で溶解度が非常に高く、既知のフェロセン-キノン錯体には見られなかった赤色の成分が得られた。この成分のNMR、MALDI-TOFマススペクトルより環状二量体であることを示唆する結果を得た。この成分はIR吸収スペクトルより単核錯体よりも極端な低波数シフトが見られた上、^1H NMRスペクトルよりシクロペンタジエニル環水素がいずれも非等価で現れるなど、特異的な性質を示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Kurihara, H.Nishihara: "Azo-and quinone-conjugated redox complexes -photo-and proton-coupled intramolecular reactions based on d-π interaction"Coord.Chem.Rev.. 226. 125-135 (2002)
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[Publications] H.Nishihara, M.Nihei, A.Hirooka, M.Kurihara: "Synthesis of Ferrocene-Quinone Conjugated Oligomers and Polymers and Their Protonation-Induced Intramolecular Electron-Transfer Reaction"Polym.Mater.Sci.Eng.. 86-87 (2002)