2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト細孔内新規金属窒化物ナノクラスターの合成に関する研究
Project/Area Number |
14654134
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
岡本 康昭 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80029553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 岳志 島根大学, 総合理工学部, 助手 (90304253)
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Keywords | 窒化物触媒 / 水素化脱硫 / Mo触媒 / チオフェン / CVD法 / XAFS |
Research Abstract |
計画に従い,CVD法を用いてゼオライト担持窒化Mo触媒を調製し,窒化処理によるMoクラスターの構造変化とHDS反応活性について検討した. NaYゼオライト担持Mo触媒はCVD法によって調製した.673Kで加熱排気処理後,NaYにMo(CO)_6蒸気を室温で16時間吸着させ,その後窒化処理を閉鎖循環系反応装置を用いて13.3kPaのNH_3存在下,423K-673Kにて行った.気相のN_2およびH_2をガスクロにより検出し,窒素消費量を求めた.チオフェンHDS反応は,閉鎖循環系反応装置を用いて623Kで行った.活性はブテン類の生成量から算出した.Mo K吸収端XAFSは高エネルギー加速器研究機構放射光施設BL-10Bにて測定した. NH3処理過程におけるN_2とH_2生成量を比較したところ,673Kの処理温度では窒素原子が触媒中に取り込まれていることがわかった.Mo当たりの窒素量はN/Mo=0.5であり,ゼオライト細孔内にMo_2Nクラスターが生成していることが示唆される.Mo K端XANESスペクトルによる検討の結果,NH3導入によりスペクトル形状の変化が起こり,Moの窒化が起こっていることが支持された.調製した各触媒のチオフェンHDS活性は窒化処理温度によって異なり,高温の窒化処理では活性は低下した.反応初期ではH_2Sの生成量は著しく少なく,触媒に硫黄が取り込まれていることがわかった.673K窒化処理後,673K加熱排気後,およびそれらのチオフェンHDS反応1h後のNaY担持Mo触媒のMoK端EXAFSの測定結果から,ゼオライト細孔中にMo数原子からなる高分散クラスターが生成していることが推定された.また,673K窒化処理後はHDS反応中にMoの一部分が硫化されていることが明らかとなった.
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