2002 Fiscal Year Annual Research Report
非晶質フォトクロミック分子固体表面の光制御とナノ分子転写の研究
Project/Area Number |
14654136
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河合 壯 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40221197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畠 誠也 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00325507)
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Keywords | アモルファス / アモルファスフォトクロミック分子 / アモルファスジアリールエテン / 近接場光 / フォトクロミズム |
Research Abstract |
フォトクロミック色素であるジアリールエテンを誘導化することで安定な非晶質固体状態即ちアモルファスジアリールエテンの開発を進めた。ジアリールエテンのアモルファス化のために、置換基としてターフェニル基を導入した。その結果、安定なアモルファス固体状態をしめすジアリールエテンの開発に成功した。アモルファス状態では透明な固体である。紫外線照射を行うと青色に着色することが見出された。さらに、可視光照射を行うと、元の無色透明な状態に戻った。このような着色・退色サイクルは繰り返し行うことが可能であった。ガラス転移温度を評価するためにDSC(走査示差熱量)測定を行った。その結果、ガラス-液体転移に相当するベースラインのシフトがみいだされた。ガラス転移温度は、化合物によって異なり82℃から127℃である。すなわち、室温ではガラス転移温度よりも十分に低い温度であるために分子運動が効果的に凍結され、結晶成長が抑制された安定な非晶質固体であることが明らかになった。スピンコート法などにより、100nm程度の薄膜状態を形成することに成功した。さらに、近接場光学顕微鏡を用いて、局所領域の光制御を試みた。あらかじめ着色状態にしておいた、アモルファスジアリールエテン薄膜にファイバーチップ先端に局在する近接場光を照射することで、局所領域の退色反応を誘起した。その結果、直径80nmの領域が退色していることが近接場光学顕微鏡測定から明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kawai, M.S.Kim, T.Sasaki, M.Irie: "Fluorescence switching of photochromic diarylethenes"Optical Materials. 21. 275-278 (2003)
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[Publications] M.S.Kim, T.Kawai, M.Irie: "Fluorescence modulation in photochromic amorphous diarylethenes"Optical Materials. 21. 271-274 (2003)
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[Publications] M.Irie, T.Fukaminato, T.Sasaki, N.Tamai, T.Kawai: "A Digital fluorescent molecular photoswitch"Nature. 420. 759-760 (2002)
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[Publications] T.Yutaka, T.Kawai, M.Irie, H.Nishihara: "Photoluminescence switching of azobenzene-conjugated Pt(II) terpyridine complexes by trans-cis photoisomerization"Inorganic Chemistry. 71. 7143-7150 (2002)
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[Publications] S.Takami, T.Kawai, M.Irie: "Photochromism of Dithiazolylethenes Having Methoxy Groups at the Reaction Centers"European Journal of Organic Chemistry. 2002. 3800-3805 (2002)
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[Publications] C.Okabe, N.Tanaka, T.Fukaminato, T.Kawai, M.Irie: "Raman Spectroscopic Study on Photochromic Reaction of a Diarylethene Derivative"Chemical Physics Letters. 357. 113-118 (2002)