2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14654137
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
古川 行夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50156965)
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Keywords | 有機電界効果トランジスター / 導電性高分子 / 電場効果ドーピング |
Research Abstract |
(1)反射吸収と透過吸収測定配置を用いて,FT-IR差スペクトル測定法を利用して,有機電界効果トランジスタの電圧誘起赤外吸収測定を行う方法を高感度化し,10^5程度の弱い吸収も測定できるようになった.(2)n-Si基板<100>面の表面に酸化シリコン層(膜厚,300〜500nm)を作製した基板を使って,TCNQを用いた有機電界効果トランジスタを作製した,ドレイン電圧・電流を測定したところ,TCNQはp型半導体の挙動を観測した.負キャリアの移動度は1.1×10^<-5>cm^2/Vsであった.また,電圧誘起赤外吸収測定でキャリアのCN伸縮振動が2184cm^<-1>に観測された.この波数はTCNQラジカルアニオンの値とほぼ一致し,キャリアはTCNQのラジカルアニオンであることがわかった.(3)有機電界効果トランジスタで一般に使用されているSiO_2絶縁体層(比誘電率,約4)に替わり,比誘電率の大きな物質である酸化タンタル薄膜(比誘電率,24)をスパッタ法により作製した.AFMとSEMの測定を行ったところ,非常に平滑な表面が得られていることがわかった.ペンタセンを用いて電界効果トランジスタを作製し,ドレイン電圧・電流特性を測定すると電流の飽和すなわち典型的なトランジスタ特性を得ることが出来た.また,動作電圧は3V程度と低い電圧になった.ペンタセンはp型半導体の特性を示し,移動度は,0.8cm^2/Vsであった.スパッタ法により作製した酸化タンタル薄膜は有機電界効果トランジスタの絶縁体層として有望である.
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Research Products
(1 results)