2003 Fiscal Year Annual Research Report
葉の光合成二酸化炭素拡散におけるアクアポリンの役割
Project/Area Number |
14654164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺島 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40211388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 祐子 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (90314666)
高木 慎吾 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10192626)
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Keywords | アクアポリン / 二酸化炭素拡散 / 光合成 / 細胞膜 / 形質転換植物 |
Research Abstract |
1)動物のアクアポリンに関する文献を研究した。本銀系の阻害剤がカーボニックアンヒドラーゼも阻害する可能性があることが明らかになった。したがって、2002年に公表したTerashima and Onoの論文の,水銀による光合成の阻害には、水銀によるカーボニックアンヒドラーゼの阻害の効果が含まれている可能性がある。細胞外から与えた場合に,細胞内に入りにくいCMBSでもHgCl_2と同様な効果を示したので,水銀剤の効果はカーボニックアンヒドラーゼの阻害の効果ではなさそうである(寺島)。 2)光合成の研究に適したイネ葉から水性二層分配法により高純度の細胞膜を単離できるようになった(高木)。 3)オオムギの根の細胞膜に発現するアクアポリン(HvPIP2)を導入した形質転換イネの葉の細胞間隙から葉緑体までの二酸化炭素拡散コンダクタンスを測定した(半場)。アクアポリン量の増加にともないコンダクタンスも増加した。この研究は,水分生理学の観点からアクアポリンを研究している岡山大学資源生物科学研究所の且原真木博士と協力して行った。アクアポリンが葉の光合成二酸化炭素輸送に関与することを明確に示すものである。
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[Publications] Hanba, Y.Y., Kogami, H., Terashima, I.: "The effect of internal CO2 conductance on leaf carbon isotope ratio."Isotopes Environmental and Health Studies. 39. 5-13 (2003)
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[Publications] Hanba, Y.T., Shibasaka, M., Hayashi, Y., Hayakawa, T., Kasamo, K., Terashima, I., Katsuhara, M.: "Overexpression of the barley aquaporin HvPIP2;1 increases internal CO_2 conductance and CO_2 assimilation in the leaves of transgenic rice plants"Plant and Cell Physiology. (In press). (2004)
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[Publications] 寺島一郎: "葉の光合成:葉の内部の光環境とCO_2環境.村岡裕由・可知直毅編,光と水の植物のかたち"文一総合出版. 319 (2003)
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[Publications] 高宮建一郎, 池上勇, 太田啓之, 小野高明, 田中歩, 寺島一郎(編): "光合成事典"学会出版センター. 431 (2003)