2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14654171
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮村 新一 筑波大学, 生物科学系, 講師 (00192766)
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Keywords | 陸上植物 / 精子 / 鞭毛装置 / 多層構造体 / スプライン |
Research Abstract |
陸上植物系列の精子はスプライン多層構造体の存在と螺旋形態を特徴としている。このような鞭毛装置について分子レベルでの解析の道を開くために、シダ植物カニクサ精子形成変異株an-1株を用いて鞭毛装置単離の条件を検討した。なお、この変異株は多量の精子を作り続けるために、これまで、陸上植物精子の研究をする上でネックになっていた、精子を多量に集めることができないという問題点を解決できた。精子を回収後、界面活性剤TritonX-100やDnase処理することで、鞭毛、膜系、細胞核などを除去し、ついでパーコール連続密度勾配遠心によって鞭毛装置を単離精製した。単離した鞭毛装置の形態が保持されていることを確認するために、電子顕微鏡観察したところ、精子鞭毛装置の主だった構成要素である多層構造体、スプライン、基底小体、オスミオフィッククレスト、電子密度の高い物質などが保持されていた。単離された鞭毛装置のタンパク組成を明らかにする第一歩として、SDS-PAGEで解析したところ、チューブリン以外に約10個の主要なポリペプチドが精製鞭毛装置において濃縮されていた。このほかに単離鞭毛装置は多数のポリペプチドより構成されていることが判明した。次いで、鞭毛装置特異的タンパク質を同定するために、鞭毛装置を抗原としてモノクローナル抗体を作製した。その結果、3個の鞭毛装置特異的抗体を得ることができた。
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[Publications] Miyamura, S., Matsunaga, S., Hori T.: "High-speed video microscopical analysis of the flagellar movement of Marchantia polymorpha sperm"Bryological Research. 8(3). 79-83 (2002)
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[Publications] Matsunaga S., Watanabe S., Sakaushi S., Miyamura S., Hori T.: "Screening Effect Diverts the Swimming Directions from Diaphototactic to Positive Phototactic in a Disk-shaped Green Flagellate Mesostigma viride"Photochemistry and Photobiology. 77(3)(in press). (2003)
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[Publications] Miyamura, S., Hori, T., Nagumo, T.: "Eyespot behavior during the fertilization of gametes in Ulva arasakii Chihara (Ulvophyceae, Chlorophyta)"Phycological Research. 51(in press). (2003)