2003 Fiscal Year Annual Research Report
電子イオン同時計測によるスパッタ粒子のイオン化過程の研究
Project/Area Number |
14655016
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
曽田 一雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70154705)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 健治 名城大学, 理工学部, 教授 (10023144)
加藤 政彦 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70222429)
八木 伸也 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20284226)
|
Keywords | 電子イオン同時計測 / スパッタリング / イオン化過程 |
Research Abstract |
本研究の目的は、スパッタ時に放出されるオージェ電子とスパッタイオンとの同時計測によって、スパッタによる2次イオン生成において重要なイオン化機構とされているオージェ電子遷移を含むイオン化過程を選択的に抽出し、スパッタにおけるイオン化機構とその逆過程としての中性化機構を明らかにすることである。このため、代表例としてSi(111)-7x7清浄表面あるいは単原子層M金属吸着si(111)M-√<3>x√<3>表面における中性Ar粒子によるスパッタ粒子のイオン化機構を明らかにする。これにより、材料表面層の微量組成分析手法として実用化されている2次イオン質量分析(SIMS)における定量化の信頼性向上に資する。 本年度は、昨年度に引き続き、電子イオン同時計測のため、現有のパルスイオンビームとレーザー共鳴イオン化分光装置を用いた表面微量元素分析装置に、飛行時間分解法によるイオン検出器と同軸円筒鏡型電子エネルギー分析器とから成る電子イオン同時計測システムを構築するための整備と調整を行った。具体的には、試料から放出される電子とイオンの軌道解析に基づき、同軸円筒鏡型電子エネルギー分析器の改造を行い、同時計測回路の検討と調整を行った。 また、Si(111)表面に対して残存酸素と2次イオン生成効率との関係を調べ、極微量酸素が与えるマトリックス効果について検討した。今後、改造した同軸円筒鏡型電子エネルギー分析器を用いて放出電子スペクトルを測定し、電子イオン同時計測により、オージェ電子エネルギーを規定した時のイオン化効率を測定することでイオン化機構を検討する。
|