2002 Fiscal Year Annual Research Report
コレステリック液晶を用いた面発光レーザアレイの研究と位相同期への応用
Project/Area Number |
14655023
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
黒川 隆志 東京農工大学, 工学部, 教授 (40302913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 洋介 東京農工大学, 工学部, 講師 (20283343)
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Keywords | コレステリック液晶 / レーザ / 光共振器 / 円偏光 |
Research Abstract |
コレステリック液晶(CLC)は螺旋分子構造を持つ液晶で、螺旋周期の光学長と同じ波長で、螺旋と同じ回転の円偏光を選択反射する。例えば、右回り螺旋分子構造を有するCLCであれば、通常の反射鏡と異なり、右回り円偏光を右回り円偏光のまま反射し、反射に際し偏光の変換が起こらない。本年度は、CLCを利用した円偏光レーザ構築の第一段階として、CLC液晶膜の作製条件についての検討、CLCを2枚平行に配置したファブリーペロー共振器の作製、およびその特性評価を行った。 本年度は、UV硬化性ポリマー、カイラル剤、ネマティック液晶の混合物をUV光により光重合させることで、CLCを作製した。CLCの選択反射波長は、UV作製時のUV光パワー、照射時間、温度等により決まる。そこで、様々な条件下でCLCを作製し、最適な反射特性を有するCLCの作製条件を検討した。検討結果に基づき、波長633nmの左回り円偏光に対し反射率が80%のCLCミラーの作製に成功した。続いて、このCLCミラーを2枚用い、光共振器を構築した。CLCミラーで挟まれた空間が空気の場合、鋭い共振ピークをもつ共振器は得られないが、この空隙にCLCと同じ屈折率のマッチングオイルを充填することで、フィネス、並びに共振波長での最大透過率の向上を実現した。これは予め行った解析結果と一致する。波長可変レーザを用いた測定により、完成した光共振器の自由スペクトル間隔は57.4pm、フィネスは8.5であった。更に、左回り円偏光が共振することを実験により確認した。
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Research Products
(1 results)