2002 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造立方晶窒化ほう素の高圧合成と超精密切削用工具の試作
Project/Area Number |
14655050
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
市田 良夫 宇都宮大学, 工学部, 教授 (50091939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 隆之介 宇都宮大学, 工学部, 助手 (20312861)
森本 喜隆 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (00290734)
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Keywords | 高純度cBN / ナノ構造 / 切削工具 |
Research Abstract |
研究実施の概要 本研究は,ナノスケールの一次cBN結晶粒子からなるcBN多結晶体を無触媒・直接転換法により創製し,得られたcBN多結晶体の物性を測定すると共に,超精密鏡面切削用工具への適用を検討しようとするものである. 本年度は,まず,1シリンダー内径25mmのフラットベルト型超高圧発生装置を用い,2000℃以上の温度と7GPa以上の圧力下で,無触媒・直接転換法を用いてcBN多結晶体を合成した.この結果,粒径500nm以下の、次粒子からなる均一な粗織を持つcBN多結晶体を合成することができた. 得られたcBN多結晶体の物性・機械的性質(高温硬さ,破壊強度,結晶構造,微量不純物)を測定した結果,従来のcBN多結晶体と比べて,高硬度,約1.5倍の破壊強さを有すること,また不純物の含有星が少ないこと等が明らかになった. さらに,cBN焼結体を切断・成形加工して超精密切削用工具を試作した。微粒ダイヤモンドホィールを用いて工具切れ刃の研磨を行い,その刃先形状を走査型電子顕微鏡(三次元SEM)を用いて観察・測定した.この結果,刃先丸み半径が約0.8μm,切れ刃綾粗さが約0.5μmRzであることが分かった.この工具を用い切削実験を行ったところ,仕上面粗さ0.1〜0.2μmRzの鏡面が得られた.超精密加工を行うためには,さらに刃先精度を改善することが必要であり,焼結体自身の改良を図ると共に,刃先研磨法についてもさらに検討する予定である.
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