2002 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンオニオンの創製とナノトライボロジー特性の発現
Project/Area Number |
14655066
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大前 伸夫 神戸大学, 工学部, 教授 (60029345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 雅人 神戸大学, 工学部, 助教授 (10216806)
保田 英洋 神戸大学, 工学部, 教授 (60210259)
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Keywords | カーボンオニオン / マイクロ波プラズマCVD / カーボンナノチューブ / ナノトライボロジー |
Research Abstract |
本研究では先進炭素材料としてナノメートルサイズの球に近いタマネギ構造を有するカーボンオニオンのマイクロ波プラズマCVDによる作製、及びカーボンオニオンによる表面修飾とナノトライボロジー特性の解明を目的とした。フラーレンC_<60>の場合にはカーボンのπ-π^*結合によって界面固着する可能性があるが、カーボンオニオンは多層状に重なり、界面での回転も期待できる。プレートレット状の層状構造物質は層間すべりで摩擦を低減すると考えられているが、そのメカニズムは自己犠牲型であって摩耗に至る。カーボンオニオンの場合には、球形で多重の構造を有することから、耐荷重性、耐摩耗性も優秀であると考えられる。本申請のカーボンオニオン創製装置は、研究代表者が現有しているカーボンナノチューブ作製装置に改良を施して実験・研究に供した。本年度、H_2やCH_4ガスの流量制御やプラズマ安定化と基板に高電圧を印加するため、新たな真空チャンバおよび試料台の設計、マイクロ波放電を安定に維持するためのスリースタブチューナーを設置した.さらに基板を加熱するためのマッフル炉を設置した。基板温度500度以下ではアモルフアスカーボンしか炭素の堆積物中には存在していかなかったが、この温度以上でカーボンナノチューブの生成が見られた.また電界を印加していないときはランダムな方向にカーボンナノチューブが成長していたが、強電界を印加することで配向したアスペクト比の高い、カーボンナノチューブの作製が可能になった。炭素堆積物にオニオン構造が見受けられたが、カーボンオニオンのみを精生するには至っていない。しかしながら、プラズマCVDにおいて、基板温度と電界を制御することで、カーボンナノチューブとオニオンの成長を制御できる可能性があることを示唆した。また、クラスターダイヤモンドから作製したカーボンオニオンはオイル潤滑下で極めて高い耐磨耗性を有することを示した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Cizaire L.: "Fullerene-like nanoparticles as new lubricant additions"Proceedings of Additions 2003, London, U.K.. (in press). (2003)
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[Publications] Ohmae N.: "Microtribological properties of fullerene C60, carbon onion and other advanced carbon materials"2nd International Workshop on Microtribology, Apr. 2002, Ishigaki, Japan. (CD-ROM). (2002)
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[Publications] Ohmae N.: "Tribology in space station-Atomic oxygen effect"Proceedings of Balkantrib 2002, June 12-14. 329-336 (2002)
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[Publications] Tagawa M.: "Effect of atomic oxygen exposures on the tribological properties of molybdenum disulfide lubricants"Space Technology Proceedings Volume 4, J.I.Kleiman and R.C.Tennyson Eds.. 73-84 (2001)
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[Publications] Ohmae N.: "Microstructure and tribology of ultrathin C_<60> films prepared by molecular beam epitaxy"Proceedings of International Tribology Conference, Nagasaki, Japan, October 29-November 2. 715-719 (2002)
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[Publications] 大前伸夫: "新版機械工学便覧"(社)日本機械学会(印刷中). (2003)