2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655088
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
前川 透 東洋大学, 工学部, 教授 (40165634)
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Keywords | 臨界流体 / 二酸化炭素 / 温度伝播 / 対流発生 / カーボンナノ構造 / レーザーアブレーション / アーク放電 |
Research Abstract |
臨界流体中のプルーム発生における普遍則を明らかにした。ピストン効果と浮力対流の効果を同時に取り込んだ理論解析を行い、プルームの発生時間および波数が系の初期温度と臨界温度との差のべき乗で表されることが分かった。この結果を論文投稿し(J.Phys.A : Math.Gen.)、現在審査中である。 さらに、臨界流体中における熱伝播モードを積極的に利用した応用研究「臨界二酸化炭素中におけるカーボンナノ構造の作製」を開始した。臨界流体中では、温度擾乱、圧力擾乱が波動として伝搬するため、新たなナノ構造が形成される可能性がある。実際、臨界二酸化炭素中での炭素のレーザーアブレーション実験では、266nmの波長にもかかわらず、様々な構造が形成された。常温でカーボンナノ構造が作製できる可能性が示された。ニッケルを炭素基板上に配置した場合には、ナノチューブとは異なる構造が形成された。今後、TEMにより上記構造の詳細を観察し、臨界流体中のナノ構造形成メカニズムについて解析する。また、アーク放電によるナノ構造作製装置を開発した。予備実験で、0.06MPaではあるが、二酸化炭素中でカーボンナノチューブが作製できた。パルス放電のタイミングを調整することにより、様々なカーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブの結合構造が形成された。今後、二酸化炭素の圧力を高め、超臨界状態でアーク放電実験を行う。
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