2002 Fiscal Year Annual Research Report
手術室環境を占有しない手術支援小型マスタースレーブロボットシステムの開発
Project/Area Number |
14655097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 昌史 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (60323523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 仁彦 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (20159073)
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Keywords | 外科手術支援ロボット / 内視鏡下手術ロボット / 閉リンク系 / リンク駆動 / 多自由度能動鉗子 / ロボティクス / 機構開発 / 滅菌性 |
Research Abstract |
これまで,ロボットは滅菌できなかったこと,潤滑油を必要とするなどの理由から,手術室環境に入ることは困難であった.一方,内視鏡下の手術は腹壁に開けた小さな穴から鉗子や内視鏡を挿入し,腹腔内で手術を行う手法で患者の早期回復,退院という大きな長所を持つが,術具の操作の困難さから術者には大きな負担を強いるものとなっている.このため,ロボットを導入した手術の必要性が重要視されてきている.動物実験や臨床実験を通して,ロボットは手術室環境に入るようになり,ロボット工学の応用として,手術支援ロボットの開発はその貢献度が大きく期待され始めている. 平成14年度は,これまでの発想とは異なった観点から,アクチュエータを含めたロボットを腹壁上に配置する構造こと,マグネシウム合金による3次元形状設計を行うことにより,小型で剛性の高いロボットの開発を行った.この場合,特に滅菌性が問題となりこれを高めることを目的とし,アクチュエータ部,鉗子部とこれを結合するユニットの3つが容易に取り外し可能な構造を開発した.また,リンク駆動の能動鉗子の開発による高剛性化を行った.これはスライドする3つのリンクによって鉗子先に3自由度を与えるもので,モータの出力を効率よく鉗子先部まで伝える構造となっている.特に,リンク構造の導入により,鉗子先端部が小さくなり強度が保てなくなる傾向があるため,三脚プラットフォーム構造を用いることで,強度の高い能動鉗子の開発を行った.この機構では可動部品の数を減らし,また,切削・組立を容易にする構造にすることで強度が維持される.
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[Publications] 中村仁彦: "ロボティックサージェリーの安全性と確実性のための基礎的取り組み"Medical Science Digest. 28・21. 416-419 (2002)
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[Publications] Y.Kobayashi, S.Chiyoda, K.Watabe, M.Okada, Y.Nakamura: "Small Occupancy Robotic Mechanisms for Endoscopic Surgery"Proc. of International Conference on Medical Computing and Computer Assisted Intervention (MICCAI2002). 75-82 (2002)
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[Publications] 千代田真吾, 岡田昌史, 中村仁彦: "三脚プラットフォーム型能動鉗子機構の開発"第20回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 2L14 (2002)
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[Publications] 千代田 真吾, 岡田昌史, 中村仁彦: "ジグソーブロックスライドを用いた能動鉗子の開発"日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'02(ROBOMEC'02). (2002)
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[Publications] 小林祐樹, 岡田昌史, 中村仁彦: "手術室環境を占有しない小型スレーブロボット"第19回日本ロボット学会学術講演会. 757-758 (2001)
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[Publications] 小林 祐樹, 岡田 昌史, 中村 仁彦: "トロカール駆動による小型外科手術支援ロボット"日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'01. 2P2-2D9 (2001)
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[Publications] 渡部 耕一, 岡田 昌史, 中村 仁彦: "リンク駆動型高剛性多自由度能動鉗子の開発"日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'01. 2P1-2D10 (2001)