カーボンナノチューブによるX線ファイバにおけるナノメートル電磁波伝送の基礎的研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14655142
• Research Institution: Toyohashi University of Technology
• Principal Investigator: 後藤 信夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60170461)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 高橋 港一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (10335101) ; 宮崎 保光 愛知工科大学, 教授 (00023169)
• Keywords: X線ファイバ / カーボンナノチューブ / フォトニック結晶導波路 / ナノメートル電磁波 / バンドギャップ

Research Abstract

カーボンナノチューブによるX線ファイバにおけるナノメートル電磁波の伝送の基礎研究として、理論的検討および実験装置の整備を行い、以下の良好な成果が得られた。
1.カーボンおよびモリブデン原子から構成されるフォトニック結晶の理論的検討
カーボン原子およびモリブデン原子からなる結晶においてナノメートル電磁波に対する導波路構成材料としての反射特性を評価するため、フォトニック結晶としての特性および波数ベクトルの向きに依存した周波数分散特性を2次元周期構造における平面波展開法を用いることにより理論的に明らかにした。その結果、局所的ではあるが反射特性が得られるバンドギャップが存在することを明らかにし、ナノメートル電磁波の導波路構成の可能性を示した。バンドギャップ幅はナノメートル電磁波のTE波およびTM波によって異なるが、その帯域幅はTHzのオーダーになることを示した。フォトニック結晶モデルに用いたカーボンおよびモリブデン原子の屈折率として、実験的に報告されている値を用いて評価した。
2.曲面端面をもつ集束性導波路型レンズ素子の理論的検討
X線導波を実現するために曲面端面をもつ集束性導波路型レンズ素子におけるナノメートル電磁波の電磁界特性の理論的検討を行なった。とくに、空間伝搬ビーム波と集束性屈折率分布型導波路の境界曲面における境界値問題として伝送特性を明らかにした。この理論解析結果に基づいて損失の小さなX線ビーム導波系の設計が可能になると考えられる。
3.単層カーボンナノチューブ合成装置の作成準備
単層カーボンナノチューブをレーザ蒸発法により合成するための装置を、セラミック電気管状炉、管状炉対応温度コントローラ、ディジタルマノメータ、石英管、油回転ポンプ、ピラニー真空計、スピードコントロールルータ、チャンバーおよびYAGパルスレーザ装置を用いて構成した。これにより単層カーボンナノチューブの合成が可能となった。
カーボンナノチューブのナノメートル電磁波の導波特性については、さらに理論的に検討を行っていく必要があるが、この成果をもとに、導波路実現の研究展開が可能となった。

Research Products

• [Publications] N.Goto, Y.Miyazaki, K.Takahashi: "Dynamic Characteristics Analysis of Wavelength-Division-Multiplexing Guided-Wave Separation Switch Using Acoustooptic Effect"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.42,No.5B. 3041-3047 (2003)
• [Publications] 後藤信夫, 宮崎保光: "コリニア音響光学相互作用を用いたWDMルーティング用光波長選択スイッチのFDTD解析"電子情報通信学会論文誌. Vol.J86-C,No.12. 1272-1281 (2003)
• [Publications] 井上藍, 宮崎保光, 後藤信夫: "脳磁図における電流源推定の有限要素法-カルマンフィルタによる逆解析"電気学会論文誌C. 124巻,2号. 436-445 (2004)
• [Publications] N.Goto, Y.Miyazaki: "Finite- Difference Time-Domain Analysis of Wavelength-Selective Characteristics in Weighted Acoustooptic Switches for Wavelength-Division-Multiplexed Photonic Routing"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.43,No.5B(to be published). (2003)
• [Publications] 後藤信夫, 宮崎保光: "フォトニックルーティング用導波型音響光学スイッチにおける波長選択特性のFDTD解析"電子情報通信学会マイクロ波研究会技術報告資料. MW2003-39. 33-40 (2003)
• [Publications] 後藤信夫, 宮崎保光: "WDMルーティング用音響光学スイッチにおける波長選択特性のFDTD解析"第24回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム予稿集. P2-E-43. (2003)
• [Publications] 宮崎保光: "曲面端面をもつ集束性導波路型レンズ素子におけるナノメートル電磁波の電磁界特性"電気学会、電磁界理論シンポジウム. EMT-03-64. (2003)
• [Publications] 後藤信夫, 宮崎保光: "フォトニックルーティング用音響光学スイッチにおける波長選択スイッチング特性のFDTD解析"電気学会、電磁界理論シンポジウム. EMT-03-89. (2003)
• [Publications] 印南孝紀, 宮崎保光, 後藤信夫: "周期原子群よりなるナノメートル波導波路のフォトニックバンド分散特性の解析"電気学会、電磁界理論シンポジウム. EMT-03-63. (2003)
• [Publications] Y.Miyazaki: "Electromagnetic Characteristics of Micro Fabry-Perot Resonator Consisting of Dielectric Structures"Progress in Electromagnetics Research Symposium (PIERS 2004). 888. (2004)
• [Publications] G.Rodriguez, Y.Miyazaki, N.Goto: "Wave Propagation Analysis of Wireless Mobile Communication on Large 2-D Urban Model Simulations using Parallel FDTD"Proc. of 6th Int.Symp. on Wireless Personal Multimedia Communications (WPMC'03). V1-355-V1-359 (2003)
• [Publications] Y.Miyazaki, G.Rodriguez, N.Goto: "Simulation Analysis of Radio Propagation in Big Areas using a Parallel FDTD Algorithm for Broadband Wireless Communication"Progress in Electromagnetics Research Symposium (PIERS 2004). 901. (2004)
• [Publications] I.Murata, Y.Miyazaki, N.Goto: "Broadband Characteristics Design of Semi-Circle Type Bow-Tie Antenna with Hole Slots using FDTD Analysis"Electromagnetic Compatibility Symposium (EMC'04). (2004)
• [Publications] G.Rodriguez, Y.Miyazaki, N.Goto: "Analysis of Broadband Wireless Communication using Parallel FDTD Simulations on Urban Areas"Electromagnetic Compatibility Symposium (EMC'04). (2004)
• [Publications] Y.Miyazaki, T.Masuda, N.Goto: "Electromagnetic Shielding Characteristics by Conducting Elliptic Cylinder Coated with Lossy Absorber of Complex Permeability"Electromagnetic Compatibility Symposium (EMC'04). (2004)