2002 Fiscal Year Annual Research Report
ネット理論に基づいた次世代の公開鍵暗号技術の開発に関する研究
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14655143
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
葛 崎偉 山口大学, 教育学部, 助教授 (30263750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 真吾 山口大学, 工学部, 助手 (00294653)
田中 稔 山口大学, 工学部, 教授 (40112023)
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Keywords | 公開鍵暗号 / 多段的暗号方式 / ペトリネット / 初等T-invariant / ハッシュ関数 / 逆ハッシュ関数 / NP-困難 |
Research Abstract |
本研究課題において、以下の研究成果が得られている (1)次の特徴を有する公開鍵暗合の仕組みを提案した。 ・ペトリネットの初等T-invariantを暗号化鍵とし、既存の秘密鍵を用いて多段的に暗合化を行う。 ・暗号化に使われる初等T-invariantをハッシュ関数で保護し、保護した暗号化鍵を暗号文と共に受信側に送信する。 ・ペトリネットおよびハッシュ関数を公開鍵とし、逆ハッシュを秘密鍵とする。 (2)ペトリネットより初等T-invariantを生成する基本的な手法として、線形計画法を用いる方法を提案した。その手法を利用すれば、膨大な数の初等T-invariantをもつペトリネットの中からランダムに必要な初等T-invariantを生成することが可能となる。 (3)暗号化鍵である初等T-invariantを保護するためのハッシュ関数を設計した。そのハッシュ関数は、NP-完全である部分和問題を含んでいるため、ハッシュ値から初等T-invariantを割り出すのに指数オーダーの計算時間を要する。よって、提案の公開鍵暗合が指数オーダーの強度をもつことが分かった。 (4)逆ハッシュ関数はペトリネットのすべての初等T-invariantとそのハッシュ値の対応表とする。かつその対応表はハッシュ値の昇順または降順にソートしたものとする。そうすることによって、2分探索法を用いれば、ハッシュ値より暗号化鍵として使う初等T-invariantを見つけ出すには容易になり、複合化が高速に行うことができる。 提案の暗合は以下の事実に基づいていることに注意されたい。(i)ペトリネットのすべての初等T-invariantを計算することは極めて困難であるが、その内の幾つかを求めるには比較的に容易である。(ii)秘密鍵の持ち主は公開鍵の一部であるペトリネットを生成しているので、そのすべて初等T-invariantを知っているが、それ以外の人はそのペトリネットのすべての初等T-invariantを知り得ない。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Q.W.Ge, C.Shigenaga, M.Nakata, R.Wu: "On Encryption of a Petri Net based Multi-Stage-Encryption Public-Key Cryptography"Proceeding of ITC-CSCC2002. 975-978 (2002)