2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 民夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40111463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 雄介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50313036)
太田 順 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50233127)
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Keywords | 双対性 / 微分形式 / 移動ロボット / グラフ / 外微分 / 余接バンドル / ハミルトン系 / 回路網熱力学 |
Research Abstract |
本研究は,自律移動ロボットの「入力」の認識問題と「出力」の形成問題の間に存在する双対性に着目して,自律移動ロボットの学習(知能獲得)に関する理論構築を行う.ここでは,ロボットのセンサ系とアクチュエータ系の関係を,平面的グラフおよびその双対グラフを使って表現するアプローチをとる.グラフ上の発展方程式系の基礎理論に,さらに双対性を導入して保存系をも表現できるように拡張し,これを用いて,自律ロボットに対する新しい学習理論の構築を目指す.また,ロボット知能の設計論として,一般の発展方程式系を散逸系(勾配系)とハミルトン系(保存系)に分解して考察し,両者の合成によりダイナミクスを設計する方法論(設計論の基盤)の構築を目指す. 今年度は,自律移動ロボットシステムの表現として平面的グラフを用いるための理論的基礎について考察した.まず,グラフ上の勾配1-形式場と双対グラフ上の勾配1-形式場を関係付けることによって,任意の1-形式場(辺上の関数)を表現できることを示した.また,グラフ上の頂点の関数と双対グラフ上の頂点を結びつける素子特性(回路網熱力学における構成素関数)が,システムのダイナミクスを完全に決定することを明らかにした. 以上の理論展開から,自律移動ロボットのシステム構成として,センサ系とアクチュエータ系の双対性をグラフの双対性に対応させ,両者の物理量の変換を素子特性によって実現する,という表現方法を提案した.そして,必要なグラフ構造をいかに獲得するか,および,適切な挙動を実現するための,各辺におけるダイナミクス(構成素関数)をいかに決定するかが,基本問題となることを明らかにした.
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