2002 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー励起法を用いた走査形超伝導磁気顕微鏡システムの開発
Project/Area Number |
14655154
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
円福 敬二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20150493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木須 隆暢 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (00221911)
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Keywords | 磁気顕微鏡 / SQUIDセンサ / 高温超伝導 / レーザー励起 / 磁界検出コイル / 磁気プローブ / 電流分布 |
Research Abstract |
本研究では超伝導磁気センサとレーザー励起法を用いた、走査形の磁気顕微鏡システムを開発することを目的としている。このため、各種の超伝導磁気センサ(SQUIDセンサ、ジョセフソン接合単体を用いたセンサ、及び薄膜コイルを用いた誘導形センサ)を開発しそれぞれの特性を調べた。SQUIDセンサは最も高感度ではあるが、走査のためセンサを移動すると地磁気等の影響を受け、性能が劣化する。この原因が検出コイルからの磁束クリープに起因することを明らかにするとともに、その解決法を検討した。ジョセフソン接合センサは感度が若干劣るものの、接合一つでセンサを形成できるためセンサの微小化には有効であることを示した。また地磁気等の影響も小さいため、走査の際の問題はSQUIDに比べると少ない。ただし、超伝導電極部でのいわゆる磁界収束効果が顕著になるため、センサの空間分解能は接合の大きさに比べて数倍悪くなることを示した。最後に、薄膜コイルを用いた誘導形センサは、SQUID電流計と組み合わせることにより数kHz以上の信号を計測する場合には、上記の2つのセンサと同様に使用できることを示した。このセンサでは磁束クリープや磁界収束効果の問題はない。 また、レーザ励起による信号の発生法を超伝導薄膜の場合について検討した。この方法では、レーザを薄膜に照射し局所的に温度を上昇させ、温度変化による臨界電流密度の変化を薄膜の端子電圧で測定する。この方法により、薄膜内の超伝導電流密度の分布が測定できることを示した。現在のところ、レーザースポットが大きいため空間分解能は10μm程度であるが、本方法は超伝導薄膜の評価に有効である。このレーザ励起法と超伝導センサを組み合わせることにより、局所的な電流密度の変化によって生じた磁界分布の変化を測定することが今後の課題である。
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[Publications] K.Enpuku et al.: "Josephson junction array for high-frequency probe"Physica C. vol.367. 256-259 (2002)
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[Publications] T.Q.Yang et al.: "High T_c superconducting quantum interference device magnetometer utilizing cooled copper pickup coil and coupling circuit"Japanese Journal of Applied Physics. vol.41 no.11A. L1221-L1223 (2002)
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[Publications] K.Enpuku et al.: "Suppression of thermally activated flux entry through a flux in high T_c superconducting quantum interference device magnetometer"Journal of Applied Physics. vol.92 no.8. 4751-4757 (2002)
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[Publications] T.Kiss et al.: "Percolative transition and scaling of transport E-J characteristics in YBCO coated IBAD tape"IEEE Transactions on Applied Superconductivity. (to be published). (2003)
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[Publications] T.Q.Yang et al.: "SQUID magnetometer utilizing normal pickup coil and resonant-type coupling circuit"Physica C. (to be published). (2003)