2003 Fiscal Year Annual Research Report
粒子形状の異なる粗粒土質材料の充填特性と壁効果を考慮した新たな相対密度の提案
Project/Area Number |
14655175
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
板橋 一雄 名城大学, 理工学部, 教授 (30109269)
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Keywords | 粒子形状 / フラクタル / 礫質材料 / 最小間隙率 / 壁効果 |
Research Abstract |
本研究は平成14年度から3年間の申請であり、昨年度と今年度の研究成果の一部を本実績報告書の11に示した論文にとりまとめ報告した。そこでここには、この論文の目的と主な結論を示すこととする。 本論文の目的は、粒子形状を評価するために提案されている視覚印象図(円磨度に関してKrumbein,1941、角張り度に関してLees,1964が提案)と土質材料を対象として、種々の粒子形状評価指標の比較を行うことである。なお、基本的な性質を知るために、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形などの規則的な幾何学図形も対象としている。採用した粒子形状指標としては、円磨度(Krumbein)、角張り度(Lees)、細長比、球形度、中心からの距離の変動係数、残差一定次数(Schwarcz・Shane)、凹凸係数(吉村・小川)、フラクタル次元(Mandelbrot)であり、円磨度あるいは角張り度とその他の指標との比較を行った。得られた結論を要約すると次のようになる。(1)規則図形のフラクタル解析の結果、フラクタル次元によって形状の相違を表現することができる。ただし、完全な自己相似性を示さないため、対象範囲によって異なるフラクタル次元を得ることになる(2)規則図形が円磨されるに伴い、フラクタル次元の値の低下する傾向が明確に認められ、フラクタル次元の有用性を示唆している(3)円磨度あるいは角張り度と対応のよい形状指標は、残差一定次数、凹凸係数、フラクタル次元の三者であり、その他の細長比、球形度、中心からの距離の変動係数の三者とは対応が悪い(4)円磨度や角張り度の定義により、円磨された粒子には角張り度が、角張った粒子には円磨度が適用できないが、両者ともフラクタル次元との対応関係はよいため、フラクタル次元がこれらに代わり得る粒子形状指標と考えられる
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 板橋一雄, 松尾 稔, 内藤充則, 森 隆: "粒子形状に関する視覚印象図のフラクタル解析と形状パラメーターの比較"地盤工学会論文報告集. 44・1. 143-156 (2004)