2002 Fiscal Year Annual Research Report
限界電流による新しい水素透過能センシングデバイスの開発と5A族金属膜の特性評価
Project/Area Number |
14655230
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
湯川 宏 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50293676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 周 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10182437)
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Keywords | 水素透過能 / 電気化学測定 / 限界電流 / 水素透過膜 / 5A族金属 / 合金効果 / 材料設計 / 水素エネルギー |
Research Abstract |
本研究では、水素透過金属膜の基本特性である「水素透過能」を、直接かつ高精度に測定するための新しい水素透過能センシングデバイスの開発を行った。 本装置は、NaOH-KOHの溶融塩電解質と水素透過膜の電極からなる電気化学セルで構成されている。試料に水素を連続供給し、試料極から対極へ電流が流れるように直流電圧を印加すると、電極反応物質である水素が試料中を拡散し、イオンとなって電解液へ移動する。このとき、外部電流が観察される。印加電圧を大きくし電極反応速度が速くなると、試料中の水素の拡散反応が律速して外部電流が飽和し、限界電流が現れる。水素透過能φは、限界電流値I_Lを用いて、φ=I_LL/(FAP_<H2>^<1/2>)の関係より見積もることができる。ここで、Fはファラデー定数、Aは試料の有効面積、Lは試料の厚さ、P_<H2>は供給ガスの水素分圧である。 上記の測定原理に基づいて水素透過能測定装置を作製した。装置の有用性を確認するために、純PdおよびV-Ni合金の473K〜673Kにおける水素透過能の測定を行った。V-Ni合金については、試料を電解液から隔離するとともに、表面での水素解離反応を促進させるために、無電解めっきによるPdの表面被覆を施した。 一連の実験より、本装置では低い印加水素圧力でも高い精度で金属膜の水素透過能が測定できることが確かめられた。本装置は、これまで水素透過能を直接測定することが困難であった5A族金属の水素透過能の測定に有効であると考えられる。 今後、種々の合金元素を添加したNb系合金について測定を行い、Nbの水素透過能に及ぼす合金元素の影響を系統的に調べる予定である。
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Research Products
(1 results)