2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655253
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大塩 茂夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (90160473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80250984)
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Keywords | 酸化ニッケル / 酸化亜鉛 / ウィスカー / エピタキシャル成長 / ヘテロ接合 / pn接合 / 電流電圧特性 |
Research Abstract |
本研究では、n型酸化物半導体として酸化亜鉛(ZnO)を、p型酸化物半導体として酸化ニッケル(NiO)を選択して、これらのウィスカーを長軸方向でヘテロ接合することでマイクロサイズpn接合を創製することを目的としている。平成14年度は、これまでウィスカーとして得られていないNiOを、大気開放型CVD法を用いて(0001)サファイヤ単結晶基板上にエピタキシャルウィスカーとして成長させることに成功した。平成15年度は、(0001)サファイヤ単結晶基板上にエピタキシャル成長させたZnOウィスカーの長軸方向にNiOウィスカーをエピタキシャル成長させ、ウィスカー同士の接合を完成させる。さらに、接合ウィスカーの電流電圧特性を調査してマイクロサイズpn接合の可能性について検討した。 それぞれのウィスカーの接合にあたって、ZnOウィスカーについてはZn(C_5H_7O_2)_2を原料錯体に用いて、気化温度を120℃に設定し、600℃に加熱した(0001)サファイヤ単結晶基板上に大気開放型CVD法により、<0001>ZnOエピタキシャルウィスカーを20μm成長させた。550℃に加熱したZnOウィスカー上に、Ni(C_5H_7O_2)_2を原料錯体に用い、気化温度200℃に設定して、同様のCVD法でNiOウィスカーを36μm成長させた。得られた接合ウィスカーの形態をFE-SEMで詳細に調査した結果、ZnOウィスカーの先端部分からNiOがウィスカー形態で成長し、そのそれぞれは各方向に傾いて成長していることが確認された。X線回折の結果、NiOウィスカーは<111>配向していた。接合ウィスカーの電流電圧特性は、マニュピレーターを使って、銅電極をウィスカーに接触させ、直流電源とデジタルマルチメーターを用いて測定した。順方向電圧を印加した時の電流特性は非線形であり、500Vで223μAの電流値を示した。 本研究の結果、酸化ニッケルと酸化亜鉛のウィスカー形態での接合により、ヘテロウィスカーからなるマイクロサイズpn接合の可能性を見出すことができた。
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