2004 Fiscal Year Annual Research Report
放射光によるジルコニアバイオセラミックスの擬似体液中でのその場相変態観察
Project/Area Number |
14655262
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
椿野 晴繁 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00109894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 博雄 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (50285334)
山本 厚之 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70220449)
福本 信次 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60275310)
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Keywords | 部分安定化ジルコニア / シンクロトロン放射光 / 相変態 / インプラント材 / アルミナ / 中性子線回折 / バイオ |
Research Abstract |
21世紀の初頭には我が国の人口の25%以上が65歳以上の高齢化社会になることが予測されている.そのため,安全に長期間使用できるインプラント材の開発が進められている.部分安定化ジルコニア(PSZ)は,高強度,高靭性などの優れた性質を有するため.インプラント材としての利用が期待されている.その優れた性質は正方晶(T)→単斜晶(M)相変態に深く関わっており,Y_2O_3およびAl_2O_3量,また環境によって左右される.本研究では,PSZを医療の現場で使用した場合を考え,その熱的安定性について組織学的に,また中性子回折およびシンクロトロン放射光回折を用いて調べた. ZrO_2-Y2O_3の平均結晶粒径はAl_2O_3添加量が増大するにつれて大きくなった.また昇温時の膨張,収縮量,降温時の膨張量もAl_2O_3の添加量に比例して増加した.DSCのシグモイダル曲線はAl_2O_3を添加することによって短時間側にシフトし,飽和に達するまでに長時間を要するようになった.またAl_2O_3を添加することによって,集合組織に変化が認められた.AFM観察の結果,T-M変態は多方向に分岐して進展することが明らかになった.つまり,Al_2O_3添加によって変態時の配向性を抑制し,T-M変態の進展を多方向に分岐させることによって変態が生じやすくなり,機械的性質向上につながることが示唆された. シンクロトロン放射光回折および中性子線回折を利用することで,試料の極表面近傍の深さ方向の情報を得ることに成功した.そのほか,水溶液中での変態その場観察を実現するため,軟X線顕微鏡の開発を行っており,今後の実用化が期待される.
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Research Products
(5 results)