2002 Fiscal Year Annual Research Report
極度の熱力学的非平衡状態にある超音速反応性プラズマ流を用いた溶射法の研究
Project/Area Number |
14655273
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田原 弘一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20207210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 孝雄 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00029498)
戸部 省吾 足利工業大学, 工学部, 教授 (50087186)
安藤 安高 足利工業大学, 工学部, 助教授 (60306107)
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Keywords | プラズマジェット / 超音速プラズマ流 / 反応性プラズマ / プラズマ診断 / 熱力学的非平衡 / 電子密度 / 電子温度 / 熱流束 |
Research Abstract |
本研究では、反応性窒化処理プロセスにおける、基板近傍のプラズマ状態をプラズマ発光分光法と静電探針法を用いて調べ、さらにチタン基材への熱流束を測定した。 10kW級超音速プラズマジェット装置は作動ガス流量0.21g/s一定、放電電流150A一定のもとに運転される。タンク内の圧力は34から210Paである。基材がノズル出口から下流160mmの位置に置かれた時、その直前の電子温度はガスの種類に関わらず、径方向の変化は少ない。窒素のみの場合、電子密度がもっとも大きくなり、径方向にほぼ一定である。これは、窒素のみの場合、タンク内の圧力が最も小さく、再結合反応力抑制されるためと推測される。すなわち、窒素のみのプラズマ流は径方向外側に大きく広がり、高電離状態で径方向には比較的一様なプラズマが形成されると考えられる。アンモニアと窒素・水素混合ガスの場合、タンク内の圧力が高く電子密度は窒素のみの場合より小さいが、混合ガスでは水素の混合比の増加と共に電子密度は大きくなる。すなわち、ガスの場合はタンク圧力の上昇に伴い、投入電力の増加と熱ピンチ効果により電子密度が上昇すると推定される。アンモニアの電子密度が最も小さく、アンモニア模擬ガスのそれに比べて3分の1程度である。これはアンモニアでは重いイオンの再結合反応が激しく起こるためと予想される。また、窒素のみを除くガスの電子密度は径方向に単調に減少し、半径50mmでは大きな差は見られない。すべてのガス種において、熱流束は径方向外側に単調に減少していく。アンモニアの熱流束が最も大きく、混合ガスでは水素混合比の増加と共にそれは大きくなる。窒素のみの場合、最も熱流束は小さい。しかしながら、半径40mm以上では熱流束はガス種に依存せずほぼ一定になる。以上の熱流束特性はタンク内の圧力特性に対応し、当然基材の温度も熱流束特性と同様の特性を示すと考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hirokazu Tahara et al.: "Plasma Characteristics of a 10-KW-Class DC Arcjet"Proc.23rd Int.Symp.Space Tech.and Sci.. 2002-b-35p. 407-412 (2002)
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[Publications] Hirokazu Tahara et al.: "Near-Substrate Plasma Characteristics and Relationships between Heat Fluxes of DC Plasma Jet"Proc.Int.Thermal Spray Conf. (ITSC 2002). Vol.1. 771-776 (2002)
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[Publications] Hirokazu Tahara et al.: "Plasma and Heat Hux Characteristics of a Supersonic Ammonia or Nitrogen/Hydrogen-Mixture DC Plasma Jet"IEEE Trans. Plasma Science. 4月号(印刷中). (2003)
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[Publications] Hirokazu Tahara et al.: "Material Spraying Using Electromagnetically Accelerated Plasma"Japanese Journal of Appl.Phys.. 4月号(印刷中). (2003)