2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655279
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 俊夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70115111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 実 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50167243)
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Keywords | 鉄基合金 / フェーズフィールドモデル / 固液界面エネルギー |
Research Abstract |
液相および複数の固相を取り扱うことのできる多相合金系のフェーズフィールドモデルを導出した。ここでは、液相、固相1、固相2にそれぞれφ1、φ2、φ3のフェーズフィールドを定義し、その和が常に1になる条件を課し、その条件のもとで各フェーズフィールドに対する方程式を導出した。また、このようなフェーズフィールドを用いた場合についてthin interface limit条件におけるフェーズフィールドパラメータを求めた。導出したフェーズフィールドモデルの解析精度を検証するために、結晶方位の異なる2つの結晶が液相と平衡する場合の界面形状を解析した。その結果、フェーズフィールドモデルによる解と解析解の誤差は十分に小さいことが明らかになった。また、本モデルを用いて鉄-炭素合金の包晶凝固過程の解析を試みた。初晶であるδファライトデンドライトの界面に沿うように包晶であるオーステナイト相が成長すること、その成長はフェライト/液相、オーステナイト/液相の界面エネルギーの相対値により変化することが確認できた。 また、鉄基合金の2次元一方向凝固試料を作成するための実験装置を試作し、これを用いた予備実験を行った。装置は、タングステンヒーターによる加熱部と試料保持・移動部からなり、高真空雰囲気下での実験を可能とするものである。予備実験の結果、装置自身は所定の機能を発揮するものの、鉄基合金試料を保持する鋳型の破損などの問題も生じ、今後の改良が必要であることが分かった。
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