2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655281
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
武津 典彦 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80029355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 典明 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (20292401)
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Keywords | 水素 / 酸素 / 活量係数 / 溶解度 / 液体合金 / 溶融金属 / 部分モル過剰自由エネルギー / 溶解エンタルピー |
Research Abstract |
本年度は水素分離に最適な溶融金属浴を見いだすために、候補として考えられているCu-Ag-Pd系合金の内、Cu-Ag、Cu-Pd、およびAg-Pd系溶融合金に対する水素の溶解度および、Ag-Pd系溶融合金に対する酸素の溶解度についてその温度依存性について実験的に調べた。これらの測定より以下のような結果が得られた。 【Cu-Ag系への水素の溶解】純銅中の水素の溶解度は純銀に比べて8倍程度大きいことが確認され、水素の過剰部分モル自由エネルギーは全濃度域にわたって加成性よりも負に偏椅することが明らかになった。また溶解のエンタルピー変化は全域にわたって正であることが確認されたが、その値は純銅の価とほぼ同じである。 【Cu-Pd系への水素の溶解】銅にPdを添加するに伴い水素の溶解度は増加し、50%Pdの組成で溶解度は約11倍になることが明らかになった。測定範囲の50%Pdの組成まで過剰部分モル自由エネルギーは濃度に直線的に変化する事が認められた。また溶解のエンタルピー変化は正であり、その値は純銅の価とほぼ同じである。 【Ag-Pd系への水素の溶解】銀にPdを添加するに伴い水素の溶解度は増加し、40%Pdの組成で溶解度は約14倍になることが明らかになった。測定範囲の40%Pdの組成まで過剰部分モル自由エネルギーは濃度に対して直線より負に偏倚する依存性を示す事が認められた。また溶解のエンタルピー変化は正であり、その値は純銀にPdを加えるほど増加し、30%添加により純銅における値とほぼ同じとなることが認められた。 【Ag-Pd系への酸素の溶解】銀に10%Pdを添加した合金について酸素の溶解度を調べた。溶解度は純銀の場合の約0.7倍となり若干減少することが認められた。また溶解のエンタルピーは負であり、そめ値は純銀に比べて若干上昇することが明らかとなった。
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