2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規レドックス活性[2+2]二核金属錯体の合成とその機能
Project/Area Number |
14655336
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
矢野 由美彦 群馬大学, 工学部, 教授 (30008510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 慎一 群馬大学, 工学部, 助手 (20281503)
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Keywords | 二格金属錯体 / 高酸化活性フラビン / NADHモデル / 酵素モデル / 酸化反応 |
Research Abstract |
高酸化活性フラビンモデルであるベンゾージブテリジンの3、10位にビピリジル基を導入すると、アセトニトリル中、亜鉛イオンの存在で[2+2]二核金属錯体を形成することを見い出した。この錯体はアントラキノン-2,6-ジスルフォネートを強力に捕捉し三者複合体を形成することを、可視・紫外吸収スペクトル及びESIマススペクトルより確認した。一方、アントラキノン-2-スルフオネートの添加による吸収スペクトルの変化は見られなかった。この結果は二核錯体の二個の亜鉛イオンとスルホネートの静電的相互作用が取り込みの重要な因子であることを示唆している。 フラビンモデル化合物を分子壁とする[2+2]二核金属錯体は酸化還元能を有するので、N-ベンジル-1,4-ジヒドロニコチンアミド(BNAH)を基質に用い、アセトニトリル中速度論的研究を行った。基質濃度効果は飽和現塚を示し、ビピリジル基を持たないベンゾージプテリジンのみに比べて10^3〜10^4倍の加速を示した。また、アントラキノン-2,6-ジスルフォネートはこめ酸化反応の阻害剤として働くが、アントラキノン-2-スルフォネートの添加は反応速度に影響を及ぼさないことが分かった。この結果は、電子欠損の二核金属錯体の空孔内に電子リッチな基質が捕捉され酸化反応が進行したことを示しており、新規なフラビンモデル系といえる。
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