2003 Fiscal Year Annual Research Report
オキセタン誘導体のアニオン重合による新規ハイパーブランチポリマーの合成と機能評価
Project/Area Number |
14655351
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
西久保 忠臣 神奈川大学, 工学部, 教授 (20120967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 宏人 神奈川大学, 工学部, 助手 (30343635)
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Keywords | ハイパーブランチポリマー / 3,3-ビス(ヒドロキシメチル)オキセタン / 光重合 / アニオン開環重合 / テレケリックハイパーブランチポリマー / アセチル化 / 分岐度 / 光ラジカル重合性基 |
Research Abstract |
我々は、これまで3-アルキル-3-ヒドロキシメチルオキセタン類のアニオン開環重合を、塩基としてがtert-ブトキシカリウム(t-BuOK)を用い、18-クラウン-6-エーテル(18-C-6)存在下、NMP中、種々の反応温度と反応時間で検討した。その結果、末端に1個のオキセタニル基と多数のヒドロキシル基を有するハイパーブランチポリエーテルが得られることを見出し、この化合物が新しい機能性ポリマーとしての展開が期待されることを報告している。本年度では、3,3-ビス(ヒドロキシメチル)オキセタン(BHMO)のアニオン開環重合について詳細に検討を行った。さらに、得られたポリマーの光機能性化について検討を行った。BHMOのアニオン開環重合を、t-BuOK、18-C-6存在下、種々の反応温度(100〜180℃)、24時間の条件で検討した。その結果、反応温度180℃の場合、96%の収率で対応するポリマーpoly(BHMO)が得られた。poly(BHMO)は一般の有機溶媒に不溶であった。このことは、分子内の多くの水酸基に起因するものと考えられる。そこで、溶解性の向上を自的とし、poly(BHMO)と無水酢酸との反応を行い、末端水酸基をアセチル化したpoly(BHMO-Ac)を合成した。poly(BHMO-Ac)の構造確認は、IR、^1H NMR、^<13>C NMRで行い、SECより数平均分子量(M_n)を測定した。その結果、M_n=1100〜3700の末端に1個のオキセタニル基を有するハイパーブランチポリエーテルであることが判明した。また、その分岐度(DB)を^<13>C NMRより算出したところ、DB=0.09〜0.51であった。次に、得られたポリマーに光ラジカル重合性基としてメタクリロイル基を導入することを目的として、poly(BHMO)とメタクリル酸無水物との反応を、ピリジン中、90℃、3時間の条件で行った。その結果、水酸基のエステル化率=100%のポリマーが収率87%で得られた。さらに、得られたポリマーの光反応は、光重合開始剤としてIrg907^【○!R】を10wt%添加したポリマーのフィルムに、約5分間の光照射を行い検討した。その結果、光ラジカル重合が速やかに進行し、硬化物が定量的に得られることが判明した。
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[Publications] H.Kudo, T.Kurakata, M.Sasaki, T.Nishikubo: "Synthesis of polyesters by the polyaddition of bis(oxetance)s with active di(ester)s"Journal of Polymer Science, Part6 A : Polymer Chemistry. 42・6. 1528-1536 (2004)
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[Publications] Y.Konno, H.Suzuki, H.Kudo, A.Kameyama, T.Nishikubo: "Synthesis and Properties of fluorine-containing poly(ether)s with pendant hydroxyl groups by the polyaddition of bis(oxetnae)s and bisphenol AF"Polymer Journal. 36(2). 114-122 (2004)
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[Publications] T.Nagai, I.Takahashi, T.Nishikubo: "Synthesis of New Donor-Acceptor norbornadiene Derivatives"Chemistry Letters. 32(8). 754-755 (2003)
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[Publications] T.Yashiro, T.Saitohu, A.Kameyama, T.Nishikubo: "Novel Synthesis of reactive polycarbonates with pendant chlooromethyl groups by the polyaddition of bis(oxetane)s with 2,2'-bis[(4-chloroformyl)oxyphenyl]propane"Journal of Polymer Science, Part6 A : Polymer Chemistry. 41(15). 2304-2311 (2003)
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[Publications] H.Kudo, K.Ueda, N.Sano, T.Nishikubo: "Synthesis of polyesters with pendant oxetane groups by the chemoselective alternating copolymerization of 3-ethyl-3-(glycidyloxymethyl)oxetane with calboxylic anhydride and its photochemical reaction"Journal of Polymer Science Part6 A : Polymer Chemistry. 41(13). 1952-1961 (2003)