2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655353
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
滝本 淳一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50261714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 清人 山形大学, 工学部, 教授 (60007218)
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Keywords | ゲル / チタン酸バリウム / エレクトロレオロジー効果 / 保水剤 / 微粒子分散ゲル / 法線応力 |
Research Abstract |
電場応答性の粒子が分散したゲルを作成し、そのゲルに電場を印加した場合の応答を調べた。 電場に応答する微粒子として強誘電体であるチタン酸バリウムの微粒子を選択した。まずこの微粒子を液体(シリコーンオイル)中に分散させた流体を作成し、電場による粘度変化を測定した。その結果、特に交流(1ないし50Hz程度)電場の場合に大きな粘度増加(正確にはずり応力の増加:2kV/mmの電場で400Pa程度)があることが解った。顕微鏡観察により、電場下では粒子が数珠状につながったクラスターを形成していることも確認された。これはチタン酸バリウムに誘起された分極の間に十分な引力が生じていることを示す。 そこで次に、この粒子を含むゲルの作成を行った。ゲルとして2液反応型のシリコーンエラストマーを用い、微粒子を分散させた後、熱架橋反応によりゲル化させた。このゲルの無電場下での弾性率は約2kPaであり、交流電場印加により弾性率は最大600Pa程度増加した。また、弾性率の増加は電場強度の2乗に比例した。これは、電場により誘起された分極(これは電場に比例)の間の相互作用により弾性率が増加していることを示唆する。また、電場により400Pa程度の負の法線応力(つまりゲルが収縮しようとする応力)が発生することを見いだした。この応力を膨潤・収縮転移をするゲルに応用すれば、転移点の電場による移動や、収縮速度の電場による加速が可能と期待される。ただし、現在得られているゲルでは、電場除去後も弾性率が最初の値に戻らないなど、可逆性に問題があり、ゲル作成法の改良が必要である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Nishioka (ほか4名): "Rheological characterization of ionic bonding in ethylene-ionomer melts with low neutralization degree"J. Rheology. 46(6). 1321-1339 (2002)
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[Publications] Y.Masubuchi (ほか3名): "Simulation study on molecular relaxation in ionomer melts"Polymer. 43(1). 239-242 (2002)