2002 Fiscal Year Annual Research Report
水環境下で自発的、可逆的に伸張/収縮するプラスチックフィルムの創成
Project/Area Number |
14655356
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 義夫 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (60016649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅川 直紀 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (80270924)
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Keywords | ポリ(3-ヒドロキシ酪酸) / ポリ(ビニルフェノール) / ポリマーブレンド / 水素結合 / 変形 / 生分解性プラスチック |
Research Abstract |
ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)(PHB)とポリ(ビニルフェノール)(PVPh)から成る二成分ポリマーブレンドのフィルムは、水中に沈めると自発的に収縮し、この収縮したフィルムを水表面(空気-水界面)に移動すると自発的に伸張すること、この収縮と伸張はフィルムの空気-水界面から水中への移動と水中から空気-水界面への移動の繰り返しに応じて可逆的に繰り返し起こることを見出した。本研究の目的は、この興味深い可逆的収縮-伸張現象の分子機構を明らかにすることである。 本年度は、この現象を支配するポリマー分子の化学的・物理的特性を検討した。PHB試料として微生物由来の高結晶性、完全イソタクトPHB、化学合成した低結晶性の高シンジオタクトPHB及び完全非晶質アタクトPHBの三種類のPHBを使用した。溶液からキャストする方法により、種々の混合比のPHB/PVPhブレンドフィルムを調製した。これらのフィルムについて、伸縮/伸張現象を調べるとともに、示差走査熱量分析による融点とガラス転移温度の測定、接触角測定によるフィルム表面の親疎水性の評価、X線回折測定による結晶構造解析、フーリエ変換赤外吸収スペクトル測定による分子間相互作用の評価を行なった。イソタクト、シンジオタクト及びアタクトPHBのいずれのPHB試料も、非晶相においてPVPhと相容のブレンドを形成し、PVPhとブレンドするとシンジオタクトPHBの結晶形成は起こらなくなったが、イソタクトPHBは結晶を形成した。PHB/ポリ(ビニルフェノール)混合比(重量)約40:60-60:40のブレンドフィルムは、PHB成分がシンジオタクト及びアタクトPHBである場合には伸縮-伸張現象を示したが、イソタクトPHBである場合には同現象を示さなかった。結晶相の存否は可逆的伸縮/伸張現象を支配する因子となることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Jianchun Li: "The Effect of Crystallization on the Thinning-Thickening Phenomena of Plastic Blend Films in Water Media"Polymer Journal. 34・7. 562-564 (2002)
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[Publications] Jianchun Li: "Spontaneous Thining/Thickening Deformation Observed for Plastic Blend Films and Some Factors Affecting Film Deformation"Journal of Polymer Science, Polymer Physics. 40・23. 2736-2743 (2002)