Research Abstract |
今年度に行った研究をまとめると下記のとおりである。 1.二次元造波水槽内に,上層をアイソゾール300(パラフィンオイル),下層を水とした二層流体を用意し,造波機で発生させた入射波による浮体の動揺(左右揺,上下揺,横揺)の計測を行った。二層の厚さとして,浮体が上層だけにある場合,浮体が内部界面を貫通している場合の両方について実験を行い,昨年度に開発した数値計算プログラムによる計算結果と比較した。上下揺の同調周波数付近では,計算値の方が計測値より大きいが,二層流による定性的影響に関して,計算値と計測値は良く対応している。 2.数値計算によって,上下層の流体密度の比,および内部界面の上下位置の違いによって,波浪強制力,浮体動揺特性がどのように変化するかを調べた。その結果,波浪中での浮体動揺は,単層流体中での浮体動揺と大きく異なることはなく,同調周波数の値が若干変化する程度であることが分かった。また,浮体が内部界面を貫通している場合の計算とそうでない場合の計算は計算法が少し異なるが,特異な変化をすることなくスムーズで妥当な結果が得られており,計算法の信頼性が確認できた。 3.これらの成果は,日本造船学会海洋工学シンポジウムにて発表し,また各種の国際会議(5,6月開催予定)において発表する予定である。さらに,昨年Journal of Marine Science and Technologyに掲載されたPart-1の論文に引き続き,diffraction問題,浮体動揺を中心としたPart-2の論文を投稿予定で準備している。
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