2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14656027
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤嶽 暢英 神戸大学, 農学部, 助教授 (50243332)
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Keywords | 腐植酸 / メチル化 / 分子サイズ / サイズ排除クロマトグラフィー |
Research Abstract |
腐植酸分子のサイズや形状は、水溶液中(水系)での測定結果から推定されてきたが,諸説入り乱れている。本研究では,腐植酸の溶解性をメチル誘導化法によって変化させ,腐植酸の3次元構造の研究体系を水系ではなく有機溶媒系で確立し,新規情報を取得することを目的としている。本年度は以下の研究成果を得た。 (1)腐植酸のメチル誘導化法の確立:由来の異なる腐植酸を多数用音し、箱守完全メチル化法における至適条件を検討した。はじめに、メチル化試薬導入後の反応時間とクロロフォルム可溶成分収量との関係を明らかにし、至適反応時間か6時間以上であることを見出した。次いで、反応試薬量とクロロフォルム可溶成分収量との関係解析から試薬至適量を決定できた。この至適条件下で完全メチル化法を行うことによって、多様な腐植酸について60%以上のクロロフォルム可溶成分を得ることが可能であることがわかった。以上の成果はSoil Science and Plant Nutrition誌に投稿・受理決定された。 (2)サイズ排除クロマトグラフィー分析による分子サイズの解析:由来の異なる4種類の腐植酸について,水系サイズ排除クロマトグラフィー分析をおこない,平均分子量および分子量分布に関するデータを取得した。その一方で、同じ腐植酸のメチル化物(クロロフォルム可溶成分)を(1)の方法で作成し、非水系でのサイズ排除クロマトグラフィー分析を行った。非水系での分析は水素結合の影響を無くした状態でのデータ取得として期待され、本研究によって初めて非水系内での平均分子量および分子量分布測定に成功した。得られた値が水系内での非修飾型腐植酸の値よりも著しく小さいことから,腐植酸分子が水素結合による会合体形成によって見かけの分子量が大きくなることを見出した。以上の成果は国際腐植物質学会ボストン大会誌で発表し、最優秀講演賞を受賞した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nobuhide Fujitake: "Optimization of a methylation procedure to obtain chloroform-soluble humic acids"Soil Science and Plant Nutrition. 49巻・3号(掲載予定)(未定). (2003)
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[Publications] Nobuhide Fujitake: "Molecular weight distribution of methylated humic acids in organic solvent systems"Proceedings of the International Humic Substances Society 20th Anniversary Conference. 56-57 (2002)