2003 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズ近縁種を利用する新ダイズ品種の開発基盤の確立
Project/Area Number |
14656055
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内海 成 京都大学, 農学研究科, 教授 (40111976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 基泰 京都大学, 農学研究科, 助手 (60293958)
丸山 伸之 京都大学, 農学研究科, 助手 (90303908)
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Keywords | ダイズ / 野生種 / ツルマメ / 7Sグロブリン / 11Sグロブリン / Gly m Bd 30K |
Research Abstract |
ダイズはGlycine属Soja亜属に属し、同じSoja亜属のツルマメと交配が可能である。ツルマメはダイズ栽培品種と同様に7Sと11Sグロブリンを主要貯蔵タンパク質としているが、栽培品種よりも変異が多いことが知られている。しかし、変異サブユニット種の特性は全く知られていない。そこで、そのような変異サブユニット種を見い出し、その特性を解明するとともに、その要因を明らかにすることによって、ダイズとの交配による新ダイズ品種を開発する基盤を確立することを目的として、以下のように研究を進めた。 1.平成14年度に見い出した変異サブユニット種の要因の解析 平成14年度に見い出し、N末端アミノ酸配列を決定した各変異サブユニットを含有するツルマメ系統を栽培し、得た登熟期種子から調製したmRNAのRT-PCRを行うことによって変異サブユニット種に対するcDNAをクローニングした。その塩基配列を決定した結果、α'の小さいものはエクステンション領域において18アミノ酸が欠失、A3が小さいものは第4可変領域において4アミノ酸が欠失、A4大のものは、第4可変領域で2アミノ酸が置換していることが判明した。 2.A3小、A4大の大腸菌発現系の構築 A3小およびA4大の大腸菌発現系の構築を大腸菌発現ベクターpETを用いて試みたが、菌株や培養温度などを制御しても可溶性で得ることはできなかった。このことは、これらの変異サブユニットの構造形性能が低いことを意味している。このことが、これらの変異サブユニットを含有する11Sグロブリンの変性開始温度が低いことの原因となっていると考えられる。
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