2002 Fiscal Year Annual Research Report
大規模野外実験による森林生態系のC/Nバランスと生産性の関係解明
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14656059
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日浦 勉 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教授 (70250496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 敏澄 北海道大学, 農学部, 助手 (00343012)
金子 信博 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (30183271)
戸田 正憲 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40113592)
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Keywords | 窒素無機化 / フェノロジー / 多様性 / 混合効果 / 誘導防御 / 林床植物 / 伐採・施肥 / 落葉広葉樹 |
Research Abstract |
1.5月下旬に被食排除区を作るために、ミズナラとシラカバの展葉前の枝先に袋かけを行った。10月下旬の落葉期に、ミズナラとシラカバの調査木の下に設置したリタートラップから落ち葉を回収し、葉の食害の程度を5段階にわけ、各段階の葉の枚数を数えたうえで、食害度別に風乾し、リターバッグを設置した。 2.土壌マイクロコズムを林内に設置し、落葉の多様性(ミズナラ、混合の2処理)、大型土壌動物の多様性(大型なし、ミミズのみ、ヒメフナムシのみ、ミミズとヒメフナムシの4処理)を操作して、落葉の分解速度、土壌化学性の変化、および土壌小型節足動物と細菌群集への影響を解析した。落葉の質が分解系に与える影響を評価するための標準的な方法を確立することができた。フトミミズのバイオマスは日本の森林のなかでも大きい方であり、フトミミズがこの森林でのキーストン種であることが予測された。一方、ヒメフナムシとの相互作用は明確ではなかった。 3.フェノロジーの異なるユリ科草本4種の資源分配と結実率が伐採・施肥によりどのように変化するかを調べた。その結果、開花・開葉の早いミヤマエンレイソウとユキザサのバイオマスと結実率は土壌養分が制限になっており、開花・開葉の遅いチゴユリとオオアマドコロのバイオマスと結実率は光資源が制限になっていることが明らかとなった。 4.春植物(ミヤマエンレイソウとユキザサ)とミズナラリター、夏植物(ヌスビトハギとハエドクソウ)とミズナラリターの混合と伐採・施肥が窒素無機化に与える効果を調べた。その結果、春植物とミズナラリターを混ぜた場合に負の混合効果が検出されたが、夏植物と混ぜた場合は混合効果は検出されなかった。またこの混合効果には伐採・施肥は影響を与えていなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ishii, H., Tanabe, S., Hiura, T.: "Exploring the relationship between canopy structure, stand productivity and biodiversity of natural forest ecosystems : Implications for conservation and management of canopy ecosystem functions"Forest Science. (in press).
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[Publications] Kaneko, N., Sugawara, Y., Miyamoto, T., Hiura, T., Toda, M.: "Tree species diversity and oribatid mite community structure ; An evaluation of macrofaunal activity"Proceedings of XI International Congress of Acarology. (in press).