2002 Fiscal Year Annual Research Report
122樹種における根株下土壌の性質と生物活性に関する基礎研究
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14656064
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大畠 誠一 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 操子 京都大学, 農学研究科, 教授 (40026381)
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Keywords | 樹木根株土壌 / 樹幹流下土壌 / 樹木土壌の生理活性 / 樹木のアレロパシー / 樹木の干渉作用 / 樹幹流の生理作用 |
Research Abstract |
樹冠に落ちた降雨は樹体の一部である葉、枝条、樹幹を降下する過程で質的に変化し、樹幹流として根株周囲に流入する。研究者らは同一環境条件下に成育する120数種の樹木の根株土壌を採取し、その生物活性、化学的性質、雑草発生量を調査比較した。これら土壌のバイオアッセイの結果は、供試針葉樹の63%、広葉樹の22%ならびに単子葉樹の22%が成長抑制的な土壌を形成し、広葉樹の29%、針葉樹の18%、単子葉樹の33%の土壌が成長促進的であった。 また、根株下土壌のpHならびにEC値はそれぞれ3.6〜8.8および0.4〜47(dS/m)と樹種によって大きく異なった。このように同一環境条件下に成長してきたにもかかわらず、樹種によっては降雨の平均pH値より著しく低いあるいは高いpHの土壌を、またEC値についても降雨のそれと大きな違いが見られた。さらに樹木の同一種内あるいは属間には同じ傾向が認められた。このことは樹木が降雨や土壌のそれと無関係に樹幹流を通して化学的に土壌を変化させ、生理的に特徴のある土壌を発達させていることが認められる。 一方、根株土壌の埋土種子の発生は、供試針葉樹の75%の土壌が雑草の発生・成育を強く抑制し、発生の全く無いものもあった。また、広葉樹では55%の樹種の土壌が雑草の成育を抑制するが、25%の樹種において発生を促進し、その65%の樹種において著しい成長促進作用が見られた。 以上の結果は、樹木は独自に化学変化させた樹幹流によって樹幹基部土壌を生理的・化学的に特徴のある土壌を形成し、その長期間にわたる繰り返しは樹幹下に侵入する雑草あるいは成育する雑草に持続的かつ特異的に影響を及ぼしていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 伊藤幹二, 伊藤操子, 李家修: "樹木のもつ雑草制御機能 1. 樹幹流下土壌の生理的特長についての260樹種間の比較"雑草研究. 48巻別号(未定). (2003)
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[Publications] 伊藤幹二, 伊藤操子, 角龍市朗, 李家修: "樹木のもつ雑草制御機能 2. 樹幹流下土壌からの雑草の発生と成長についての樹種間の比較"雑草研究. 48巻別号(未定). (2003)
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[Publications] Ito, K., M.Ito, O.Rinoie, S.Oohata: "Comparison of soil from under 120 woody species grown for 70 Years 1. Bioassay. 2. Effects on floor vegetation"World Congress of Allelopathy, Abstracts. 3巻. 196-197 (2002)